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Answers ~解答・解説~
次の英文の内容に関して、(1)から(4)までの質問に対して最も適切なもの、または文を完成させるのに最も適切なものを1, 2, 3, 4の中から一つ選びなさい。
[英検 2016年度 第3回検定問題より]
SuperAgers
People around the world are living longer. One problem that affects many older people, though, is memory loss. Usually, this is just an inconvenience, but it can be a sign of brain disease. Scientists have been studying the brains of people suffering from memory loss in the hope of finding a way to treat the problem. Researchers at Northwestern University in Chicago, however, decided to take a different approach. They began looking at the brains of people who still have strong and healthy memories even as they get older.
The team of researchers calls these people "SuperAgers." The researchers asked people over the age of 80 who believed they had unusually good memories to take part in the project. To determine if these people truly had good memories, the researchers first tested a group of people between the ages of 50 and 65. Then, they gave the same test to the people over 80 and compared the results. All those who scored as well as the younger group were considered to be SuperAgers. This, however, only amounted to about 10 percent of those who had volunteered.
After this, the brains of the younger group and those of the SuperAgers were scanned. The researchers were surprised to find that the brains of the SuperAgers looked just as healthy as―and in some ways healthier than―those of the younger group. In particular, the outer layer of the brain, known as the cortex, was thicker than the people in the younger group. This part of the brain is connected to both memory and thinking. Moreover, the part of the brain that helps people pay attention was also thicker than is normally the case with older people.
The SuperAgers not only had good memories but were also more energetic and active than other people the same age. This goes along with other studies which have shown that people who participate in many activities and are involved in their communities are less likely to suffer from brain problems. What scientists do not yet know, though, is whether such people are born with genetically stronger brains or whether it is their diet and lifestyle that keep their brains healthier.
【 訳 】
スーパーエイジャー
世界中の人々が長生きしつつある。けれども、多くの高齢者に影響を与える問題の一つは物忘れである。通常、これはただ不便なだけにすぎないが、脳疾患の徴候になることがある。科学者たちは、この問題に対処する方法を見つけることを期待して、物忘れに苦しむ人々の脳を研究してきた。しかしながら、シカゴにあるノースウエスタン大学の研究者たちは、異なる手法を取ることにした。その研究者たちは、年を取ってもまだしっかりとして正常な記憶力のある人々の脳を調べ始めた。
その研究者たちのチームはこれらの人々を「スーパーエイジャー」と呼ぶ。研究者たちは、著しく記憶力が良いと信じている80歳以上の人々にこのプロジェクトに参加するように求めた。これらの人々が本当に記憶力が良いかどうか判定すべく、研究者たちは初めに、50歳から65歳までの人々のグループを検査した。それから、先ほどの80歳以上の人々に同じ検査を行って、それらの結果を比較した。若い方のグループと同じくらい良い成績を取った人々は皆、スーパーエイジャーとみなされた。しかしながら、これは結局、志願した人々の約10パーセントにしかならなかった。
この後、若い方のグループの脳とスーパーエイジャーの脳がスキャンされた。研究者たちは、スーパーエイジャーの脳が若い方のグループの脳とまったく同じくらい健康的―しかもいくつかの点ではより健康的―に見えるということに気が付いて驚いた。とりわけ、大脳皮質として知られる脳の外層は、若い方のグループの人々より厚みがあった。脳のこの部分は記憶と思考の両方に関係がある。その上、人々が注意を払うのに役立つ脳の部分も、通常の高齢者の事例よりも厚みがあった。
スーパーエイジャーは記憶力が良いだけでなく、他の同年齢の人々より精力的で活動的でもあった。このことは、多くの活動に参加し、自分たちの地域社会に関わっている人々は、脳疾患にあまり苦しみそうにないということを証明した他の研究に沿うものである。けれども、科学者たちがまだ分かっていないのは、そのような人々は遺伝子的によりしっかりとした脳を持って生まれるのか、それとも食事と生活スタイルこそが彼らの脳をより健康的に保つのか、ということである。
(1)
正解: 1
What are researchers at Northwestern University doing about memory loss?
- They are studying the brains of people who have good memories in their old age.
- They are focusing on cases where memory loss is not caused by brain disease.
- They are trying to reduce the effects of brain diseases on people's memories.
- They are looking for a way to reduce the inconvenience of memory loss.
【問いと選択肢の訳】
ノースウエスタン大学の研究者たちは物忘れに関して何を行っているのか。
- 高齢でも記憶力の良い人々の脳を研究している。
- 物忘れが脳疾患により引き起こされない症例に注目している。
- 人々の記憶力への脳疾患の影響を減らそうとしている。
- 物忘れの不便さを減らす方法を探している。
【解説】
第1段落の最後の文に「彼ら(ノースウエスタン大学の研究者たち)は、年を取ってもまだしっかりとして正常な記憶力のある人々の脳を調べ始めた」とあるので、1が正解となる。
(2)
正解: 2
In the study, "SuperAgers" were defined as
- people over 80 who answered at least 10 percent of the test questions correctly.
- people over 80 whose memories are as good as people in their 50s and early 60s.
- people between 50 and 65 whose memories are better than average for their age.
- people between 50 and 65 who are likely to live a healthy life through their 80s.
【問いと選択肢の訳】
この研究における「スーパーエイジャー」の定義は、
- 検査の質問のうちの少なくとも10パーセントに正確に答えた80歳以上の人々。
- 50歳代と60歳代前半の人々と同じくらい記憶力が良い80歳以上の人々。
- 同年齢の平均より記憶力の良い50歳から65歳までの人々。
- 80歳代まで健康的な生活を送りそうな50歳から65歳までの人々。
【解説】
第2段落第3文に「研究者たちは初めに、50歳から65歳までの人々のグループを検査した」とある。続く第4文に「先ほどの(著しく記憶力が良いと信じている)80歳以上の人々に同じ検査を行って、それらの結果を比較した」とある。さらに続く第5文に「若い方のグループと同じくらい良い成績を取った人々は皆、スーパーエイジャーとみなされた」とあるので、2が正解となる。
(3)
正解: 4
What were researchers surprised to learn about the SuperAgers?
- They got along better with younger people than with people of their own age.
- They had better memories than others but are not as good at paying attention.
- There were no differences between their brains and those of other people their age.
- The part of their brains related to memory and thinking was unusually healthy.
【問いと選択肢の訳】
スーパーエイジャーについて、研究者たちは何を知って驚いたのか。
- スーパーエイジャーは同年齢の人々とよりも若い人々とうまく付き合っていた。
- スーパーエイジャーは他の人々よりも記憶力が良かったが、注意を払うのがそれほど得意ではなかった。
- スーパーエイジャーの脳と他の同年齢の人々の脳との間に違いはなかった。
- 記憶と思考に関連のあるスーパーエイジャーの脳の部分は、非常に健康的であった。
【解説】
第3段落第2文に「研究者たちは、スーパーエイジャーの脳が若い方のグループの脳とまったく同じくらい健康的―しかもいくつかの点ではより健康的―に見えるということに気が付いて驚いた」とある。続く第3文に「とりわけ、大脳皮質として知られる脳の外層は、若い方のグループの人々より厚みがあった」とある。さらに続く第4文に「脳のこの部分は記憶と思考の両方に関係がある」とあるので、4が正解となる。
(4)
正解: 3
What does evidence from a variety of studies suggest?
- Some people are unlikely to be able to improve their memories through practice and exercise.
- Most people with strong brains are genetically different from people with normal brains.
- Living an active and social life is related to the health of people's brains.
- Eating healthily before exercising has a positive effect on people's memories.
【問いと選択肢の訳】
様々な研究から得られた証拠は何を示唆しているのか。
- 一部の人々は習慣と運動によって記憶力を改善することができそうにない。
- しっかりとした脳を持つ大抵の人々は、通常の脳を持つ人々とは遺伝子的に異なる。
- 活動的で社会的な生活を送ることは人々の脳の健康と関係がある。
- 運動する前に健康的な食事を取ることは、人々の記憶力に良い影響を与える。
【解説】
第4段落第1文に「スーパーエイジャーは記憶力が良いだけでなく、他の同年齢の人々より精力的で活動的でもあった」とあり、続く第2文に「このことは、多くの活動に参加し、自分たちの地域社会に関わっている人々は、脳疾患にあまり苦しみそうにないということを証明した他の研究に沿うものである」とあるので、それらの内容をまとめた3が正解となる。
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