解答・解説ページ
Answers ~解答・解説~
次の英文を読み、その文意にそって(1)から(3)までの( )に入れるのに最も適切なものを1, 2, 3, 4の中から一つ選びなさい。
[英検 2017年度 第1回検定問題より]
Battling Bacteria
When people catch diseases that are caused by bacteria, they are often given drugs called antibiotics, which work to kill bacteria in the body. However, there are now many new types of bacteria that cannot be killed with antibiotics. One type of bacteria, called MRSA, has become ( a big concern for ) hospitals and nursing homes. MRSA spreads easily where there are many sick people in one place, and it cannot be treated using traditional antibiotic drugs. As a result, many scientists are looking for new antibiotics that can fight such bacteria.
One group of researchers at United Arab Emirates University has been looking to frogs for an answer. Frogs live in wet environments that have a lot of bacteria, so their skin has evolved to protect them from dangerous bacteria. Scientists have known about the bacteria-killing chemicals on frogs' skin for many years. However, there are some challenges to finding a way to use those chemicals. One is that the human body destroys the chemicals before they can act as a medicine. ( What is more ), some of the chemicals on the frogs' skin can harm human cells.
Michael Conlon, leader of the study, says that his team has discovered some solutions. They have made small changes to the chemicals on the frogs' skin to make them less harmful to humans, while also making them better at killing bacteria. Despite these advances, Conlon says that it will ( take time to develop ) drugs from these chemicals. Although these drugs may not be ready soon, it is expected that one day they will play a large role in fighting bacteria.
【 訳 】
細菌との戦い
人々が細菌により引き起こされる病気にかかると、抗生物質と呼ばれる薬がしばしば投与され、それらが体内の細菌を死滅させるように働く。しかしながら、今や、抗生物質で死滅させることができない多くの新しいタイプの細菌がある。MRSAと呼ばれるあるタイプの細菌は、病院や介護施設にとって大きな懸念となっている。MRSAは多くの病人が1か所にいる所で容易にまん延し、従来の抗生物質を使用しても治療することができない。その結果、多くの科学者たちがそのような細菌と戦うことができる新しい抗生物質を探している。
アラブ首長国連邦大学のある研究者のグループは、一つの答えとしてカエルに目を向けている。カエルは細菌の多い湿った環境に住んでいるので、危険な細菌から身を守るために皮膚が進化している。科学者たちはカエルの皮膚上にある殺菌作用のある化学物質について、何年も前から知っていた。しかしながら、それらの化学物質を使用する方法を見つけることに対して、いくつか課題がある。一つは、それらの化学物質が薬として作用しうる前に人体がそれらを破壊してしまう、ということである。さらに、カエルの皮膚上の化学物質の中にはヒト細胞に害を与えうるものもある、ということである。
この研究のリーダーであるマイケル・コンロンは、彼のチームがいくつかの解決法を発見したと主張している。彼のチームはカエルの皮膚上の化学物質に少し変更を加え、人間にあまり害がないようにして、その一方で細菌を死滅させるのにより効果があるようにもした。これらの進歩にもかかわらず、コンロンはこれらの化学物質から薬を開発するには時間がかかるであろうと主張している。これらの薬はすぐには完成しないかもしれないが、いつか細菌と戦うことにおいて大きな役割を果たすであろうことが期待されている。
(1)
正解: 3
- a new hope for
- less common in
- a big concern for
- easier to cure in
【解説】
空所を含む文に「MRSAと呼ばれるあるタイプの細菌は、病院や介護施設~となっている」とある。この直後の文に「MRSAは多くの病人が1か所にいる所で容易にまん延し、従来の抗生物質を使用しても治療することができない」とある。したがって、正解は3. a big concern for「~にとって大きな懸念」となる。
他の選択肢について、bacteria「細菌」は第1段落全体を通して悪い意味で用いられているので、1. a new hope for「~にとって新たな希望」というのは文脈に合わない。また、本文や上の説明にもあるように、「MRSAは…従来の抗生物質を使用しても治療することができない」とあるので、4. easier to cure in「~で治療するのがより容易な」というのも間違い。残りの選択肢である2. less common in「~であまり一般的ではない(まれな)」というのは、本文からは事実かどうか不明であり、たとえ事実であったとしても前後の話の流れに合わないので不可。
(2)
正解: 4
- Fortunately
- Therefore
- In exchange
- What is more
【解説】
第2段落の半ば過ぎに「しかしながら、それらの化学物質を使用する方法を見つけることに対して、いくつか課題(some challenges)がある」とあるので、「課題」は複数なければならない。続く文の文頭にOne is that ~「一つは~」とあるので、空所から始まる次の文の文頭には、「情報の追加」を表す「つなぎ言葉」である4. What is more「さらに」を入れるのがふさわしく、これが正解となる。
他の選択肢について、1. Fortunately「幸運にも」、2. Therefore「それゆえに」、3. In exchange「お返しに」は、文脈に合わないので不可。
(3)
正解: 2
- be impossible to create
- take time to develop
- build demand for
- reduce the damage of
【解説】
第3段落第1文に「研究者のチームがいくつか解決法を発見した」とあり、続く第2文にその具体例が述べられている。その次の空所を含む文の文頭に「これらの進歩にもかかわらず」とあるので「逆接」であり、続く内容は「不利益」や「欠点」などを表すものでなければならない。そのため、この時点で3. build demand for「(薬)の需要を高める」と4. reduce the damage of「(薬)の被害を減少させる」は選択肢から外れる。次に続く最後の文に「これらの薬はすぐには完成しないかもしれないが、いつか…」とあるので、1. be impossible to create「(薬)を作り出すのは不可能である」も間違い。したがって2. take time to develop「(薬)を開発するには時間がかかる」が正解となる。
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