英検対策講座【4級】大問1: 短文の語句空所補充問題

本多 敏幸(ほんだ・としゆき)

解答・解説ページ

英検対策講座【4級】

 

Answers ~解答・解説~

 

次の(1)から(5)までの(  )に入れるのに最も適切なものを1、2、3、4の中から一つ選びなさい。

[英検 2021年度 第1回検定問題より]

 

 

(1)

 

正解: 1

 

It's snowing a lot today, so please drive ( slowly ).

 

  1. slowly
  2. freely
  3. coldly
  4. busily

 

 

【 訳 】

今日はたくさん雪が降っているから、ゆっくりと運転してください。

 

【解説】

大問1では、対話文や英文から場面や状況を推察したり判断したりすることが大切です。

 

この問題では、接続詞soが使われています。これはsoの前の部分に理由や原因が書かれていて、so「だから~」の後にその結果が書かれています。そこで、雪がたくさん降っているのでどうするのかと考えます。正解は1のslowly「ゆっくりと」です。

 

選択肢2のfreelyは「自由に」、3のcoldlyは「寒く、冷たく」、4のbusilyは「忙しく」という意味です。

 

選択肢の単語の語尾はすべてlyで終わっていますが、こうした特徴を持つ語の多くは副詞です。

 

副詞は、drive slowlyのslowly「ゆっくりと」のように動詞のdrive「(車を)運転する」を修飾(説明)したり、very youngのvery「とても」のように形容詞のyoung「若い」を修飾したり、really slowlyのreally「本当に」のように副詞のslowly「ゆっくりと」を修飾したりする役割のある品詞です。つまり、副詞は名詞以外の単語を修飾する役割を持っています。

 

slowlyは形容詞のslow「スピードの遅い」の語尾にlyを付けて副詞にしています。同様に、cold「冷たい、寒い」からcoldly、busy「忙しい」からbusilyがつくられています。

 

 

 

(2)

 

正解: 2

 

I ( found ) Nancy's notebook. It was on Mary's desk.

 

  1. stayed
  2. found
  3. stopped
  4. went

 

 

【 訳 】

私はナンシーのノートを見つけました。それはメアリーの机の上にありました。

 

【解説】

選択肢はすべて過去形の動詞です。動詞を選ぶ問題では、その直後の「~を」に当たる目的語との組み合わせを考えましょう。

 

目的語がNancy's notebook「ナンシーのノート」であることから、「ナンシーのノートを~した」の「~した」に当てはまる動詞を考えます。2文目のメアリーの机の上にあったという情報から、正解は2のfound「見つけた」です。

 

選択肢1のstayedは「滞在した」、3のstoppedは「やめた」、4のwentはgoの過去形で「行った」という意味です。

 

It was on Mary's desk.のようにbe動詞(am、is、are、was、were)のあとに場所を表す語句がある場合には、be動詞は「~にある」「~にいる」という意味になります。

 

 

 

 

(3)

 

正解: 3

 

Mom's lemon cake is not as good ( as ) her chocolate cake.

 

  1. to
  2. of
  3. as
  4. by

 

 

【 訳 】

お母さんのレモンケーキはお母さんのチョコレートケーキほどおいしくありません。

 

【解説】

大問1では、2語以上の語で1つの意味を表す熟語の問題が数問入っています。この問題でも、(  )の前後の語句が熟語になっていると考えられます。正解は3のasです。not as good as ~で「~ほどおいしくない」という意味です。

 

as … as ~は2つのものや人を比べる比較の文です。肯定文と否定文では意味が異なります。次の例文を確認してください。

 

(例)

This book is as interesting as that one.(肯定文)

「この本はあの本と同じくらい興味深いです」

 

This book is not as interesting as that one.(否定文)

「この本はあの本ほど興味深くありません」

 

最初のasの後にはいずれも形容詞の原級(元の形)を置きます。be動詞ではなく、一般動詞を使って、副詞の原級を置いた例も紹介します。

 

(例)

This dog runs as fast as that one.(肯定文)

「この犬はあの犬と同じくらい速く走ります」

 

This dog doesn't run as fast as that one.(否定文)

「この犬はあの犬ほど速く走りません」

 

 

 

(4)

 

正解: 1

 

When Sachiko was visiting India, she ( lost ) her camera.

 

  1. lost
  2. lose
  3. to lose
  4. losing

 

 

【 訳 】

サチコがインドを訪れていたとき、彼女は自分のカメラを無くしました。

 

【解説】

選択肢は動詞のloseとその変化形です。この場合、意味の違いを考えるのではなく、文の中の(  )の位置に適する形や時制(過去や現在などの時間的配置)を考えます。

 

この文ではwhen Sachiko was visiting India「サチコがインドを訪れていたとき」と過去の「時」が示されています。このことから、この文は過去のことを伝える文であることが分かります。したがって、正解は1のlost「~を無くした」です。lostはloseの過去形です。

 

動詞の形を問う問題では、次のことを確認しましょう。

 

① 文の流れが過去のことを述べている場合 →過去形

(例)I went to the restaurant and ate two hamburgers.

「私はレストランに行ってハンバーガーを2つ食べた」

 

② 現在形の文で主語が三人称単数になっている場合 →-(e)sの形

(例)My father sometimes eats sushi.

「父はときどき寿司を食べる」

 

③ 助動詞(canやwillなど)が直前にある場合 →原形

(例)My son can't eat hot food.

「息子は辛い食べ物は食べられない」

 

④ DoやDoesで始まる疑問文やdidn'tを含む否定文の場合 →原形

(例)I didn't eat breakfast today.

「今日は朝食を食べなかった」

 

⑤ be動詞が直前にあり進行形になる場合 →-ing形

(例)My mother was eating something when I got home.

「ぼくが帰宅したとき母は何かを食べていた」

 

⑥ 前置詞の直後で、動名詞になる場合 →-ing形

(例)Thank you for coming to my party.

「パーティーに来てくれてありがとう」

 

⑦ enjoyやstopの直後で、「~すること」の意味になる →-ing形

(例)We enjoyed eating on the beach.

「私たちはビーチで食事を楽しみました」

 

⑧ wantやhopeの直後で、「~すること」という意味になる →to+動詞の原形

(例)I hope to see you again.

「またお目にかかりたいものです(またお目にかかれることを望みます)」

 

 

 

(5)

 

正解: 4

 

There ( is ) a new swimming pool near our house.

 

  1. be
  2. are
  3. does
  4. is

 

 

【 訳 】

私たちの家の近くに新しい水泳プールがあります。

 

【解説】

この文のように最初にThereがある場合、[There+be動詞~]の文であると推測できます。この形の文の意味は「~があります(います)」、「~がありました(いました)」です。

 

この文では、主語はbe動詞の後の語(句)になります。主語が単数であればis(過去形ではwas)を、複数であればare(過去形ではwere)を置きます。a new swimming pool「水泳プール」が単数なので、正解は4のisです。

 

[There+be動詞~]の文を使った例文を示しますので、確認しましょう。

 

(例)

There are a lot of students in the gym.

「体育館にはたくさんの生徒がいます」

 

There was a big park here.

「ここには大きな公園がありました」

 

There were ten members in the English club last year.

「英語部には昨年、10人の部員がいました」

 

 

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この記事の筆者について

本多 敏幸(ほんだ・としゆき)

PROFILE

東京都の教員として38年間勤務。現在、千代田区立九段中等教育学校、都留文科大学、文教大学で講師として教えるほか、NHKラジオ「中学生の基礎英語レベル1」の講師として活躍。ELEC同友会英語教育学会会長。学習指導要領の改訂に関わる。また、全国各地で教員向けの講演を行っている。
著書に、本多式中学英語マスターシリーズとして『反復基礎』『短文英単語』『速読長文』(以上文藝春秋)、『中学校外国語新3観点の学習評価完全ガイドブック』、『入試英語力を鍛える!授業アイデア&パワーアップワーク40』(以上明治図書)、『若手英語教師のためのよい授業をつくる30章』(教育出版)、『NHK CD BOOK 中学生になるまでに身につけたい! 小学英語 パーフェクト・レッスン』(NHK出版)など多数。

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