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第14回(最終回)大学入学共通テスト「英語リーディング」 問題タイプ別解き方のコツ:本多敏幸先生の英語学習アドバイス

本多 敏幸(ほんだ・としゆき)

毎月、本多敏幸先生が、英語力アップのためのアドバイスを送ります。最終回の今回は、大学入学共通テスト英語読解問題の効率的な解き方の手順を紹介します。

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今年の夏は猛暑だったため、秋は本当に過ごしやすいと感じますね。10月に入り、中学3年生や高校3年生は入試に向けて受験勉強のギアを上げていると思います。

 

今回は、大学入学共通テスト英語の読解問題を解く際の、解き方の手順を問題のタイプ別に紹介します。

 

 

 

【1】大学入学共通テスト「リーディング問題のねらい」

 

入試共通テストは、大学入試センター試験に代わり、2021年度から実施が始まりました。

 

英語リーディングについて、事前に示された「作問のねらいとする資質・能力についてのイメージ」(2018年)(※)の一部を紹介します。

 

① 広告、パンフレット、予定表などから、自分が必要とする情報を読み取り、書き手の意図を把握することができる。または、記事、レポート、資料などから、自分が必要とする情報を読み取り、論理の展開や書き手の意図を把握することができる。

⇒【テキストの部分を把握して解答する問題】

 

② 短い説明を読んで、概要や要点を捉えたり、情報を事実と意見に整理することができる。または、記事やレポート、資料などを読んで概要や要点を把握したり、情報を整理したりすることができる。また、文章の論理展開を把握したり、要約することができる。

⇒【テキストの全体を把握して解答する問題】

 

③ 物語を読んで、概要を把握することができる。

⇒【テキストの全体を把握して解答する問題】

 

大学入試共通テストは、このようにテストでどんな力を測りたいかを決めてから具体的な問題を作成しています。2022年度の大学入学共通テストの問題でもかなりの部分がこれに一致していました。

 

 

 

【2】問題のタイプ別「解き方アドバイス」

 

大学入学共通テスト英語の各大問は、【テキストの部分を把握して解答する問題】【テキストの全体を把握して解答する問題】】に分かれています。それぞれについて、以下の手順で解答するとよいでしょう。

 

(1)と(2)はどちらの問題についてもするべきことです。時間の目安として、(1)から(2)までを1分以内で行いましょう。

 

(1) 指示文を確認する

大学入学共通テストでは指示文は英語で書かれています。ここには、どのような場面や状況か、どのような目的で読むのかなどが示されています。指示文は必ず読む習慣を付けましょう。

 

(2) 設問を確認する

設問をさっと読んで何を読み取るのかを把握してください。このときはまだ選択肢を読んではいけません。選択肢の中には正解となるものが1つで、残りは不正解となるものなので、読むことで混乱する場合があります。

 

ここからは、問題タイプによって2つの手順に分かれます。

 

 

【テキストの部分を把握して解答する問題】の場合

 

(2)の設問で読み取ったことが書かれているところをテキストから見つけて解答します。例えば、掲示や資料などでテキストが箇条書きになっているものがこのタイプになります。

 

 

【テキストの全部を把握して解答する問題】の場合

 

 この問題タイプの場合は、(3)と(4)の手順を行いましょう。

 

(3) テキストを読む

 テキストの読み方には2通りあります。 

  1. 内容を頭に入れながらていねいに読む
    テキストを読んだあと、そのまま設問に進み、8割程度解答できる問題の場合にはこの読み方をします。分からない問題があった場合には、テキストの該当部分を確認します。
  2. テキストのどこに何が書いてあるのかを把握する程度に読む
    設問に進んだ後、テキストに戻りながら解答しなければならないような問題が多い場合にはこの読み方をします。

 

(4) 設問に進み、解答する

分からない問題があってもその問題にずっと取り組むのではなく、30秒程度考えて分からない場合には「これかな?」と思う番号をマークして、次の問題に進みましょう。

 

以上のように、問題タイプに合った手順で解くことが重要になります。すべての問題を同じ手順で解いてはいけません。

 

大学入学共通テストの過去問や問題集を解き、どうしたら時間をかけずに解くことができるか、いろいろと試してみてください。

 

読解問題に対処するために、様々な読解問題に慣れておきましょう。どのような学習をしたらよいのか、これまでの記事を参考にして自分に合った学習法を考えてください。

 

「今すぐ始めよう! 本多敏幸先生の英語学習アドバイス」は今回で終了となります。14回に渡り、読んでいただきありがとうございました!

 

「本多敏幸先生の英語学習アドバイス」リストページ

https://www.ei-navi.jp/news/honda/list/

 

※大学入試センター「『大学入学共通テスト』における問題作成の方向性等と本年11月に実施する試行調査(プレテスト)の趣旨について:【英語(リーディング)】作問のねらいとする資質・能力についてのイメージ(素案)(2018年)

 

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この記事の筆者について

本多 敏幸(ほんだ・としゆき)

PROFILE

東京都の教員として38年間勤務。現在、千代田区立九段中等教育学校、都留文科大学、文教大学で講師として教えるほか、NHKラジオ「中学生の基礎英語レベル1」の講師として活躍。ELEC同友会英語教育学会会長。学習指導要領の改訂に関わる。また、全国各地で教員向けの講演を行っている。
著書に、本多式中学英語マスターシリーズとして『反復基礎』『短文英単語』『速読長文』(以上文藝春秋)、『中学校外国語新3観点の学習評価完全ガイドブック』、『入試英語力を鍛える!授業アイデア&パワーアップワーク40』(以上明治図書)、『若手英語教師のためのよい授業をつくる30章』(教育出版)、『NHK CD BOOK 中学生になるまでに身につけたい! 小学英語 パーフェクト・レッスン』(NHK出版)など多数。

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