勉強中の眠気覚ましにコーヒーを飲む人は多いのではないでしょうか。でも、なぜコーヒーで目が覚めるかご存じですか? その仕組みに迫ってみました。
集中して勉強をすると体力をどっと消耗します。取り掛かっている設問だけ最後まで解いてしまいたい、ここだけは整理して終わらせたいというときに、いつの間にか眠ってしまっていた経験を持つ人は多いのでは。
そんなときに役立つのが、眠気覚ましの1杯。そう、コーヒーです。
ところで、なぜ、コーヒーを飲むと、眠気が覚めるのでしょうか。
アデノシン VS カフェイン
医学・薬学関係者らの専門家有志によって運営される、NPO法人HAB研究機構のサイトで、コーヒーを飲んで得られる作用が紹介されています。
コーヒーには睡眠物質であるアデノシンに抵抗する作用を持つカフェインが含まれているそうです。サイトにはこう書かれています。
1日が終わって夜になると、疲労物質とも呼ばれるアデノシンが貯まってきます。カフェインはアデノシンに逆らって、眠気を吹き飛ばしてくれます。
この効果により、夜に勉強するときは、コーヒーを飲んで頭をすっきりさせると、効率が上がると言えるのですね。ただ、この効果の話には続きがあります。
眠気を吹き飛ばしてくれますが、アデノシンは益々たまってしまいます。だからコーヒーを飲んで徹夜すると、本当に疲れてしまうのです。これに勝つには寝るしかありません。
このようなデメリットがあることも頭に入れておきたいですね。
社団法人日本コーヒー協会のサイトで、カフェインの含有量が紹介されており、コーヒー1杯(250mlとして換算)に含まれるカフェインは、約150mgとのことでした。
眠気覚ましの決め手はカフェイン。ということで、最後に、コーヒーに代表される眠気を覚ます飲み物を、同じページを参考に算出した1杯(250ml)あたりのカフェイン含有量と一緒に紹介してみたいと思います。
コーヒー: カフェイン 約150mg
18世紀末にオランダ人が日本に持ち込んだといわれるコーヒー。今では、家庭でも親しまれる嗜好飲料になっています。ただ、カフェインは眠気を覚ます一方で、睡眠は人間には必要不可欠なもの。勉強の効率を上げるには、十分な睡眠を心掛ける必要があるとも言えます。
紅茶: カフェイン 約75mg
紅茶にもカフェインが含まれていました。含有量がちょうどコーヒーの半分なので、体調に合わせて、紅茶かコーヒーかを選ぶのも楽しいかもしれません。
緑茶(煎茶): カフェイン約50mg
日本の流通量の80%以上を占めるともいわれる緑茶(煎茶)にもカフェインが含まれていました。コーヒーや紅茶が苦手という人は、緑茶(煎茶)にも眠気を覚ます効果があることを知っておくとよいかもしれません。
玉露: カフェイン 約400mg
新芽が出始めてから遮光して育てる玉露。コクと甘み、独特の香りを持ちますが、なんと、カフェイン含有量は400mgで、コーヒーの倍以上だったのですね。コーヒーカップよりも小ぶりな湯飲みで、試してみては。
ウーロン茶: カフェイン 約50mg
ウーロン茶に含まれるカフェインは、緑茶(煎茶)と同じで約50mg。ウーロン茶特有のポリフェノールが、脂肪の吸収を抑え、脂肪分解を促進する働きがあるため、ダイエットにもよいとされています。
いかがでしょうか。どの家庭にもある飲み物たちが眠気覚ましの味方になってくれますので、1杯飲んでから勉強に取り掛かると、能率がアップするかもしれませんね。