英検対策講座【5級】大問1: 短文の語句空所補充問題

本多 敏幸(ほんだ・としゆき)

解答・解説ページ

英検対策講座【5級】

 

Answers ~解答・解説~

 

次の(1)から(5)までの(   )に入れるのに最も適切なものを1, 2, 3, 4 の中から一つ選びなさい。

[英検 2021年度 第2回検定問題より]

 

 

(1)

 

正解: 3

 

A : Do you like ( sports ), Peter?

B : Yes, I do. I like soccer.

 

  1. music
  2. fruit
  3. sports
  4. fish

 

 

【 訳 】

A:あなたはスポーツが好きですか、ピーター?

B:はい、好きです。ぼくはサッカーが好きです。

 

【解説】

大問1では、文に使われている他の語と関連する語を選ぶ問題がよく出題されます。

 

この問題の場合、Aが何についてBに尋ねているかは、Bの答えを見れば分かります。Bの2文目でI like soccer.「ぼくはサッカーが好きです」とスポーツの一種であるサッカーを挙げていることから、正解は3のsportsです。

 

選択肢1のmusicは「音楽」、2のfruitは「フルーツ」、4のfishは「魚」という意味です。

 

ある物事の全般を指して話をするときの名詞の表し方の一つに、名詞を複数形にする方法があります。sportは数えられる名詞なのでsportsとなります。

 

ただし、musicは数えられない名詞、fruitは果物全般を指すときは数えられない名詞、fishは単数形と複数形が同じ形の名詞、という理由から語末にsは付けません。

 

なお、スポーツ全般を表す場合、アメリカ英語ではsportsですが、イギリス英語ではsportとする場合があります。

 

 

 

(2)

 

正解: 1

 

A : Bob is a good swimmer.

B : Yes. He is very ( fast ).

 

  1. fast
  2. slow
  3. long
  4. blue

 

 

【 訳 】

A:ボブは泳ぎが上手ですね。

B:はい。彼はとても速いです。

 

【解説】

選択肢はすべて形容詞です。形容詞は形や状態を説明する語です。AがBob is a good swimmer.「ボブは泳ぎが上手ですね」、BがYes.「はい」と言っていることから、(  )には水泳について褒める言葉が入ります。したがって、正解は1のfast「速い」です。

 

選択肢2のslowは「遅い」、3のlongは「長い」、4のblueは「青い」という意味です。

 

Bob is a good swimmer.は、直訳すると「ボブは上手な泳ぎ手です」ですが、普通、「ボブは泳ぎが上手です」と自然な日本語に訳します。goodには「良い」という意味がありますが、この場合には「上手な」という意味になります。

 

英検5級の問題でよく使われる形容詞をまとめたので確認しましょう。

 

big「大きい」、clean「きれいな」、cloudy「曇りの」、cold「寒い」、easy「易しい、簡単な」、fast「速い」、fine「元気な、天気のよい」、happy「幸せな、うれしい」、high「高い」、late「遅い」、little「小さい」、new「新しい」、nice「すてきな、よい」、old「古い」、pretty「かわいい」、short「短い」、sleepy「眠い」、slow「遅い」、small「小さい」、sorry「すまないと思って」、sunny「晴れている」、tall「(背が)高い」、young「若い」

 

 

 

(3)

 

正解: 3

 

A : Does this train go from Tokyo ( to ) Kanazawa?

B : Yes, it does.

 

  1. at
  2. off
  3. to
  4. down

 

 

【 訳 】

A:この電車は東京から金沢まで行くのですか?

B:はい、そうです。

 

【解説】

大問1では、熟語(2つ以上の語を組み合わせて使うもの)の知識も問われます。

 

この問題の場合、from Tokyoと組み合わせられる語を考えましょう。fromが「~から」という意味であること、(  )の直後にKanazawa「金沢」があることから、正解は3のtoです。from … to ~で、「…から~まで」という意味になります。

 

from … to ~は、from Monday to Friday「月曜日から金曜日まで」のように時を表す場合にも使えます。

 

次の基本的な熟語は必ず覚えておきましょう。

 

a lot of ~「たくさんの~」、after school「放課後」、at night「夜に」、be good at ~「~が得意である」、be interested in ~「~に興味がある」、by bus「バスで」、by car「車で」、by train「電車で」、come from ~「~出身である」、get to ~「~へ着く」、get up「起きる」、go fishing「釣りに行く」、go shopping「買い物に行く」、go swimming「泳ぎに行く」、go to bed「寝る」、How about ~?「~はどうですか?」、in English「英語で」、in the morning「朝に、午前中に」、listen to ~「~を聞く」、look at ~「~を見る」、look for ~「~を探す」、look like ~「~に似ている」、of course「もちろん」、on foot「徒歩で」、on the Internet「インターネットで」、on TV「テレビで」、sit down「座る」、stand up「立ち上がる」、take care of ~「~の世話をする」、take a bath「入浴する」、take a picture「写真を撮る」、talk about ~「~について話す」、thank you for ~「~をありがとう」、turn right [left]「右[左]に曲がる」、What about ~?「~はどうですか?」

 

 

 

(4)

 

正解: 1

 

Kate has a computer. She uses ( it ) in her room.

 

  1. it
  2. us
  3. they
  4. them

 

 

【 訳 】

ケイトはコンピューターを持っています。彼女はそれを自分の部屋で使います。

 

【解説】

選択肢はすべて代名詞(話題に出た名詞の代わりに使う語)です。名詞を代名詞にする場合、次のことを確認する必要があります。

 

①元の名詞が男性、女性、物などのうち何であるか

②元の名詞が単数・複数のどちらであるか

③代名詞を文の中のどの位置で使うか

 

この問題の場合、a computer「コンピューター」の代わりの語を(  )に入れるとよさそうです。そこで、①から③を確認してみましょう。

 

①物

②単数

③動詞uses「使う」の直後なので目的語の位置で使う

 

これらの条件に当てはまる代名詞を考えましょう。正解は1のitです。itは物の代わりとして、主語や目的語の位置で使う代名詞です。

 

目的語とは、一般動詞や前置詞(forやwithなど)の直後に置く名詞や代名詞です。

 

選択肢2のusは「私たちを」という意味で、目的語の位置で使う代名詞です。3のtheyは「彼らは、彼女らは、それらは」という意味で、複数の人やものの代わりとして、主語の位置で使う代名詞です。4のthemは「彼らを、彼女らを、それらを」という意味で、複数の人やものの代わりとして、目的語の位置で使う代名詞です。

 

主語と目的語の位置で使う代名詞を確認しましょう。

 

☆主語として使う代名詞

I「私は」(自分)、you「あなたは」(相手)、he「彼は」(単数の男性)、she「彼女は」(単数の女性)、it「それは」(単数の物)、we「私たちは」(自分を含む複数の人)、you「あなたがたは」(相手を含む複数の人)、they「彼らは、彼女らは、それらは」(複数の人や物)

 

☆目的語として使う代名詞

me「私を」(自分)、you「あなたを」(相手)、he「彼を」(単数の男性)、her「彼女を」(単数の女性)、it「それを」(単数の物)、us「私たちを」(自分を含む複数の人)、you「あなたがたを」(相手を含む複数の人)、them「彼らを、彼女らを、それらを」(複数の人や物)

 

 

 

(5)

 

正解: 1

 

Michelle is ( watching ) TV in the living room now.

 

  1. watching
  2. watch
  3. watched
  4. watches

 

 

【 訳 】

ミシェルは今、居間でテレビを見ているところです。

 

【解説】

選択肢を見るとすべてwatch「~を見る」とその変化形です。このタイプの問題では、意味の違いを考えるのではなく、文の中の(  )の意味に適する形や時制(過去や現在などの時間的位置)を考えます。

 

この問題では、(  )の直前にisがあります。また文の最後にnow「今」があることから、「(今)~しているところです」と現在行っている動作を表す現在進行形だと推測できます。現在進行形は[be動詞(am、is、are)+動詞のing形]の形です。したがって、正解は1のwatchingです。

 

動詞の形を問う問題では、次のことを確認しましょう。

 

① 文の流れが過去のことを述べている場合 →過去形

(例)I went to the restaurant and ate two hamburgers.

「私はレストランに行ってハンバーガーを2つ食べました」

 

② 現在形の文で主語が三人称単数になっている場合 →-(e)sの形

(例)My father sometimes eats sushi.

「父はときどき寿司を食べます」

 

③ 助動詞(canやwillなど)が直前にある場合 →原形

(例)My son can't eat hot food.

「息子は辛い食べ物は食べられません」

 

④ 疑問文や否定文でdoesやdidが含まれる場合 →原形

(例)My son doesn't eat vegetables.

「私の息子は野菜を食べません」

 

⑤ be動詞が直前にあり、「~している」の意味になる場合 →-ing形

(例)My mother is eating a hamburger.

「母はハンバーガーを食べているところです」

 

 

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この記事の筆者について

本多 敏幸(ほんだ・としゆき)

PROFILE

東京都の教員として38年間勤務。現在、千代田区立九段中等教育学校、都留文科大学、文教大学で講師として教えるほか、NHKラジオ「中学生の基礎英語レベル1」の講師として活躍。ELEC同友会英語教育学会会長。学習指導要領の改訂に関わる。また、全国各地で教員向けの講演を行っている。
著書に、本多式中学英語マスターシリーズとして『反復基礎』『短文英単語』『速読長文』(以上文藝春秋)、『中学校外国語新3観点の学習評価完全ガイドブック』、『入試英語力を鍛える!授業アイデア&パワーアップワーク40』(以上明治図書)、『若手英語教師のためのよい授業をつくる30章』(教育出版)、『NHK CD BOOK 中学生になるまでに身につけたい! 小学英語 パーフェクト・レッスン』(NHK出版)など多数。

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