英検対策講座【3級】大問1: 短文の語句空所補充問題

本多 敏幸(ほんだ・としゆき)

解答・解説ページ

英検対策講座【3級】

 

Answers ~解答・解説~

 

次の(1)から(5)までの(   )に入れるのに最も適切なものを1, 2, 3, 4 の中から一つ選びなさい。

[英検 2021年度 第3回検定問題より]

 

 

(1)

 

正解: 4

 

A: I don't know much about baseball. Can you ( explain ) the rules to me?

B: Sure. It's easy.

 

  1. sell
  2. save
  3. happen
  4. explain

 

 

【 訳 】

A:野球についてあまり知らないんです。私にルールを説明してくれますか?

B:もちろんです。簡単です。

 

【解説】

選択肢の単語はすべて動詞です。動詞を選ぶ問題では、通常、その後に置かれている名詞の語句との組み合わせを考えることが大事です。

 

(  )の直後の目的語にはthe rules「そのルール」があるので、「そのルールを~する」に当てはまる動詞を考えます。Aが最初に、野球をあまり知らないと言っていることからも、正解は4のexplain「~を説明する」です。

 

選択肢1のsellは「~を売る」、2のsaveは「~を救う、~を節約する」、3のhappenは「起こる」という意味です。

 

Can you ~?は「~してくれますか?」と相手に頼むときの表現です。

 

 

 

(2)

 

正解: 3

 

A: What did you think of the new French restaurant?

B: It was great. The food looked beautiful, and it ( tasted ) nice, too.

 

  1. grew
  2. held
  3. tasted
  4. joined

 

 

【 訳 】

A:その新しいフランス料理のレストランをどう思いましたか?

B:素晴らしかったです。食べ物は美しく見えたし、味も良かったです。

 

【解説】

(1)と同様に選択肢はすべて動詞です。しかし(  )の後が名詞ではなく形容詞のnice「良い」となっています。したがって、ここに当てはまる動詞は後に目的語を置かないものになります。

 

この文の前半部分のThe food looked beautifulは[主語+動詞+形容詞]の構造となっています。lookedは直後に形容詞を置くと「~に見えた」という意味になります。

 

この文の後半部分も同様に、[主語+動詞+形容詞]の構造になりますが、選択肢から答えを選ぶ際には、食べ物がどうnice「良い(良かった)」のかを考えましょう。正解は3のtastedです。tastedは「~の味がした」という意味です。

 

選択肢1のgrewはgrow「育つ、増える」の過去形、2のheldはhold「続く、つかむ」の過去形、4のjoinedはjoin「つながる、参加する」の過去形です。

 

What did you think of ~?は「あなたは~についてどう思いましたか?」という意味で、相手に感想などを尋ねるときによく使う表現です。

 

 

 

(3)

 

正解: 4

 

A: This jacket is a little big for me. Can I ( try ) on a smaller one?

B: Certainly, sir. How about this one?

 

  1. hit
  2. make
  3. enter
  4. try

 

 

【 訳 】

A:この上着は私には少し大きいです。小さめのものを試着してもいいですか?

B:かしこまりました。こちらはいかがでしょう?

 

【解説】

大問1には、語と語を組み合わせることである意味を表す熟語や構文の問題が数問入っています。

 

この問題では(  ) onをまとまりで考えると良さそうです。Aの最初のせりふから、Aは洋品店に来ていることが分かります。

 

(  ) onの直後にa smaller oneがあることから、「小さめのもの(上着)を~する」に当てはまる熟語を選びましょう。正解は4のtryです。try on ~で「~を試着する、~を試しに着る」という意味になります。

 

a littleは「少し」という意味です。後にbigがあるので「少し大きい」という意味になります。Can I ~?は「~してもいいですか?」と許可を得るときに用いる表現です。

 

tryは「~してみる、~を試みる」という意味があります。直後に置く目的語により、「~を食べてみる」や「~を読んでみる」などの意味になります。

 

(例)

Let's try this soup.

「このスープを飲んでみよう」

 

I'll try his new book.

「彼の新しい本を読んでみます」

 

 

 

(4)

 

正解: 3

 

A: Where did you meet Jack?

B: We met in high school, so I've ( known ) him for over  20 years.

 

  1. knows
  2. knew
  3. known
  4. knowing

 

 

【 訳 】

A:あなたはどこでジャックに出会ったのですか?

B:私たちは高校で出会ったので、私は彼を20年以上知っています。

 

【解説】

選択肢はいずれも動詞knowの変化形です。このタイプの問題では、文中の(  )の位置や他に使われている単語を確認する必要があります。

 

(  )はI've(= I have)の直後に位置しています。また、soの前の部分が「高校で知り合った」という意味なので、知り合ってから現在までどのくらい経っているかという情報を述べていると推測できます。したがって、正解は3のknownです。knownはknowの過去分詞です。

 

[主語+have (has)+過去分詞]の形を現在完了形と言います。現在完了形は、現在まで継続していること、現在までに完了していること、現在までに経験していることなどを述べるときに使います。この文にはfor over 20 years「20年以上」があることからも、現在まで継続していることを述べていることが分かります。

 

継続を表す文では、for ~の他にsince ~もよく使われます。sinceは「~以来ずっと(現在まで)」という意味です。forは前置詞なので、for two monthsやfor a yearなど、後ろに名詞または名詞を中心とした語句を置きます。一方で、sinceは前置詞としても接続詞としても使うことができます。

 

☆sinceを前置詞として使う場合

後ろに名詞または名詞を中心とした語句を置きます。例えば、since 2005「2005年以来ずっと」やsince this spring「今年の春からずっと」などのように使います。

 

☆sinceを接続詞として使う場合

後ろに[主語+動詞]を続けます。例えば、since I was born「私が生まれてからずっと」、since I married her「私が彼女と結婚して以来ずっと」などのように使います。

 

動詞の形を問う問題では、次のことを確認しましょう。

 

① 文の流れが過去のことを述べている場合 →過去形

(例)I went to the restaurant and ate two hamburgers.

「私はレストランに行ってハンバーガーを2つ食べた」

 

② 現在形の文で主語が三人称単数になっている場合 →-(e)sの形

(例)My father sometimes eats sushi.

「父はときどき寿司を食べる」

 

③ 助動詞(shouldやmustなど)が直前にある場合 →原形

(例)My son can't eat hot food.

「息子は辛い食べ物は食べられない」

 

④ Do やDoesで始まる疑問文やdidn'tを含む否定文の場合 →原形

(例)I didn't eat breakfast today.

「今日は朝食を食べなかった」

 

⑤ be動詞が直前にあり、「~している」の意味になる場合 →-ing形(現在分詞)

(例)My mother was eating something when I got home.

「ぼくが帰宅したとき母は何かを食べていた」

 

⑥ be動詞が直前にあり、受け身の文になる場合 →過去分詞

(例)Now sushi is eaten in many countries.

「今では寿司は多くの国々で食べられている」

 

⑦ haveが直前にあり、現在完了の文になる場合→過去分詞

(例)I have never eaten Japanese food.

「私は一度も日本料理を食べたことがない」

 

⑧ 名詞の直後で「~している」と説明を加える場合 →-ing形(現在分詞)

(例)Do you know the boy eating a banana over there?

「あそこでバナナを食べている男の子を知っていますか?」

 

⑨ 名詞の直後で「~される、~された」と説明を加える場合 →過去分詞

(例)Tempura is one of the dishes eaten by many people.

「天ぷらは多くの人に食べられている料理の一つです」

 

 

 

(5)

 

正解: 1

 

A: I want to buy something for Jacob's birthday.

B: I know ( what ) he wants. Let's go shopping together.

 

  1. what
  2. that
  3. how
  4. why

 

 

【 訳 】

A:ジェイコブの誕生日に何か買いたいと思っています。

B:彼が何を欲しがっているかを知っています。一緒に買い物に行きましょう。

 

【解説】

選択肢のwhat、how、whyは、普通は疑問文の最初に置きますが、この文は疑問文ではありません。また、(  )は動詞knowの直後に位置しています。したがって、(  ) he wantsの部分がknowの目的語になっていて、「私は彼が~を欲しいのを知っています」という意味の文になっていると考えられます。

 

what、how、whyなどを含む語句を動詞の目的語として使う場合、[whatなど+主語+動詞]を動詞の後ろに続けます。Bは、ジェイコブの誕生日に何かを買いたいと思っている人(A)に対して話しているので、「彼が何を欲しがっているのかを知っている」とすると話の流れに合います。したがって、正解は1のwhatです。

 

動詞の目的語として[whatなど+主語+動詞]を置く文の形を間接疑問文と呼びます。例を示しますので確認しましょう。

 

(例)

I don't know why he wants to go to England.

「私は彼がなぜイギリスに行きたがっているのか知りません」

 

Do you know how he got here?

「あなたは彼がどのようにしてここに着いたのかを知っていますか?」

 

Can you tell me where he lives?

「彼がどこに住んでいるのか私に教えてくれませんか?」

 

I don't know how many brothers he has.

「私は彼に何人兄弟がいるのか知りません」

 

 

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この記事の筆者について

本多 敏幸(ほんだ・としゆき)

PROFILE

東京都の教員として38年間勤務。現在、千代田区立九段中等教育学校、都留文科大学、文教大学で講師として教えるほか、NHKラジオ「中学生の基礎英語レベル1」の講師として活躍。ELEC同友会英語教育学会会長。学習指導要領の改訂に関わる。また、全国各地で教員向けの講演を行っている。
著書に、本多式中学英語マスターシリーズとして『反復基礎』『短文英単語』『速読長文』(以上文藝春秋)、『中学校外国語新3観点の学習評価完全ガイドブック』、『入試英語力を鍛える!授業アイデア&パワーアップワーク40』(以上明治図書)、『若手英語教師のためのよい授業をつくる30章』(教育出版)、『NHK CD BOOK 中学生になるまでに身につけたい! 小学英語 パーフェクト・レッスン』(NHK出版)など多数。

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