受験チャンスが増える、TEAP CBTを採用
受験チャンスが増える、TEAP CBTを採用
2014年に始まった「TEAP」は、英語運用能力を正確に測定することができますが、ペーパーテスト方式で行われています。その発展版ともいえるコンピューターベースのテスト「TEAP CBT」の第1回試験がいよいよ2016年10月から始まります。
過去記事:新しく始まる「TEAP CBT」で上智大受験を有利に
上智大学は、2017年度入試の「TEAP利用型入試」において、TEAPに加えてTEAP CBTのスコアも採用することを発表しています。
先述にあるように、従来のTEAPで出願する場合には4技能それぞれで基準スコアを超える必要がありますが、TEAP CBTでは総合得点のみ!得意な技能を活かして総合得点の基準スコアをクリアすれば、出願することができます。
また、TEAP受験のチャンスは、TEAP(年3回)とTEAP CBT(年1回)を合わせると、2017年度の入試に向けて合計4回となり、上智大学への入学チャンスがさらに広がります。
TEAP CBTはなぜ開発されたのでしょうか? TEAPとTEAP CBTの開発に携わった上智大学 吉田教授のインタビューから、開発ストーリーと具体的にどういったテストなのかを見ていきましょう。
TEAP CBTは、グローバル × ITで新しい英語教育を切り拓く
上智大学 言語教育研究センター長
吉田 研作 教授
上智大学では、2017年度入試から、TEAPだけでなくTEAP CBTも採用することになりました。そして、2018年度以降はCBT受験が中心になるでしょう。その理由としては、PBT※1と比べてCBT※2だと受験者がより自分のペースでテストが受けられるので受けやすくなることが挙げられます。しかし、もっと大きな理由は、TEAP CBTがPBTと比べてより現実の英語運用能力を測ることができることです。
CBTになると、ICTの多様な機能を利用することにより、よりリアルな状況が設定でき、アクティブ・ラーニングの中心概念である、「思考力、判断力、表現力」に重きを置いた英語運用力の測定が可能になるのです。また、コンピュータのキーボードを操作することにより、語学だけでなく、いわゆるICT教育促進にも寄与できるのです。特に、ライティングでは、今後益々必要になるタイピング力の育成にも好影響が期待できるでしょう。
現在、入試への4技能試験の導入が大きな話題になっていますが、4技能と言っても、それぞれの技能が個別に測定されたのでは本当の言語運用能力の測定にはなりません。リスニングだけ、読解だけ、ライティングだけ、スピーキングだけ、を測っても、真の言語能力の測定にはなりません。私たちがことばを使う時は、聞いたり読んだりしたことを基に話したり書いたりします。つまり、複数の技能を統合しているのです。PBTでもある程度の技能の統合はできますが、それは限られます。CBTでは、画像や映像と音声を同時に提示することができ、ことば(音声も文字も)と映像等を合わせることにより、思考力や判断力を問うことができるのです。これからの言語能力テストは、CBTが当たり前の時代になってくるでしょう。
※1 PBT:紙のテスト
※2 CBT:コンピュータのテスト
TEAP CBTでは、英語で書かれた問題文を読みながら画面上にある図の中からマウスで適切なものをドラッグアンドドロップしたり、ヘッドセットを着用した状態で動画を視聴したりすることによって、よりリアルな状況を生み出し、その結果、より高度な思考力・判断力・表現力を問う問題を出題することができるということです。また、今後はCBT方式のテストが主流になると予想しています。
既に多くの大学が入試にTEAPを採用しており、TEAP CBTも上智大学に続き各大学が採用していくことが予想されます。藤村学務担当副学長が述べていたように、TEAPもTEAP CBTも決して特別なテストではありません。難易度の目安としては、英検準2級〜準1級程度。日本の高校3年生の英語を測定するのに最適なレベルとなっています。普段の学習をしっかりと取り組んでいれば十分点を狙うことができます。
自分の今の英語力がどのくらいなのかを知ることができ、大学入試も有利に進めることができるTEAPとTEAP CBT。現在、それぞれ次回試験の申込受付中です。上智大学やTEAP採用大学の受験を考えている方は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。