【英語学習のヒント】話題の「広がり」と「深み」に対応する力
2018/02/15
日本語での生活においても、新聞や本を読んだりニュースなど見たりしていろいろな話題に関心を持っている人とそうでない人では「話題への対応力」が大きく異なります。これは英語でも同じです。
どういう話題なら英語で対応できる?
どういう話題になると英語で対応できなくなる?
身の回りのさまざまな話題に関心を持ち、それについて自分の考えを持つことは英語力を伸ばす上で大きな支えになります。そこで、私たちを取り巻く話題を、その「広がり」と「深み」という視点で考えてみましょう。
●広がり(広く知る):「私のこと」から「世界のこと」へという関心の広がり
●深み(深く考える):「具体的なこと」から「抽象的なこと」へという考えるカ
これと英語力がどのように関連しているのかを英検の級と長文読解問題の出題例で見てみると、初級から上級に向かうにつれて、扱われている話題の「広がり」と「深み」が増していることが分かりますね。
級 | 段階 | 話題の特徴 | 長文読解問題の出題例 |
---|---|---|---|
5級 4級 3級 |
初級 | 日常生活の身近で簡単な話題 (自分、家族、友人、地域など) |
・日本に来た留学生のジョンと、てつや君の話 ・アメリカのある町でのハロウィーンについて |
準2級 2級 |
中級 | 複雑で高度な話題へ (海外文化、歴史、教育、科学など) 『広がり』と『深み』へ |
・フィリピンの大都市における公共交通機関について ・クモの糸が持っている特徴と医学への応用の可能性について |
準1級 1級 |
上級 | 複雑で高度な話題 (社会性の高い幅広い話題) 『広がり』と『深み』 |
・インドの経済発展がインド社会にもたらしたものについて ・遺伝子の書き換えテクノロジーが持つ可能性と問題点について |
語彙カ・文法力はどうして大切なの?
話題がその「広がり」と「深み」を増すにつれて、そこで用いられる単語や表現の種類も増え、英文も長くなったり複雑なものになったりします。
それらを的確に理解し、さらにそのような話題について自分の考えを述べたり書いたりできるようになるためには、語集力や文法力を伸ばすことが大切になります。
今、自分はどのあたりにいる? これから目指す方向は?
ここまでのことを「食べ物」を例にして1つの図にまとめてみましょう。同じ「食べ物」という話題でも、それが「広がり」と「深み」を増すことで(図の右下の方に行くほど)、複雑で高度な内容、つまり上級レベルの内容になります。
みなさんは今どのあたりにいますか。話題の「広がり」と「深み」に対応する力という見方は、英語学習の進め方を考えるときに1つのヒントになると思いいます。
(公益財団法人 日本英語検定協会 制作部アドバイザー 柳瀬 和明)
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