第10回 自由英作文対策:まとまりのある文章の書き方【初級編】
2021/03/17
入試や英検でも重要となる自由英作文。でも、どうやって勉強すればいいか分からないという人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、3回にわたって、自由英作文対策として「まとまりのある文章」を書く勉強法を紹介します!
【今回のお悩み】自由英作文が苦手。でもどうやって勉強したらよいか分からない…
語数の多い文章のことを指すときもあるけど、話題に沿って一貫性がある文章を一般的に「まとまりのある文章」と言うよ。だから3文程度の英文でも「まとまりのある文章」と言うことができる。
今回は「初級編」として3文程度の英文を書く練習から始めよう。
問題A: あなたが友達を連れて行きたい場所を1つ選び、その理由を含め3つの文で書きなさい。
問題B: あなたのアメリカ人の友達が日本に来ることになりました。その友達が訪れるのに、あなたが薦めたい場所を1つ選び、その理由を含め3つの文で書きなさい。
問題C: アメリカ人の友達から次のEメールが届きました。返信のEメールを書きなさい。
Hi (あなたの名前),
Thank you for inviting me to your home in Japan this winter. When I asked my parents about it, they said OK. I'm going to visit you from December 30 to January 5. I'm interested in Japanese culture and Japanese food. This will be my first trip to Japan, so I'm very excited. I'm looking forward to seeing you again and visiting some traditional places in Japan. Where should I visit? Please tell me some places that you think I should visit.
Write to me soon,
Mike
AやBは自分が連れて行きたいところだから動物園でもいいけど、Cはふさわしくないと思います。メールの中に、「日本の食べ物や文化に興味があって、伝統的な場所を訪れるのが楽しみ」とあるから、これに合った場所を選ばないと。
いいね。指示文や英文を読んで、求められていることをしっかりと把握することが大切だね。
鎌倉や京都なら、Japanese culture「日本文化」、Japanese food「日本食」、traditional「伝統的な」などのワードと合致するね。このすべてに当てはめる必要はないけど、場所を選ぶときには意識しないとね。
では、AからCの問題でそれぞれ「京都」について書くと決めたとしよう。どんなことを書けばよいかな?
そうだね。そういうことを考えることが「まとまりのある文章」を書くときに大切なんだ。問題の指示文に「その理由を書きなさい」と書かれていなかったとしても、選んだ理由は必要だね。「連れて行きたい(薦めたい)場所」について、文章全体のつながりとか、文と文のつながりを考えながら書くことが大事だよ。
では実際に「まとまりのある文章」を書く練習をしよう。
【レッスン】 まとまりのある英文を書こう
先生からのアドバイス
状況を考え、適切な英文が書けたかな? 次のように書くとまとまりのある文章になるよ。
【その1】 まず連れて行きたい場所を書く
(例)
① I want to take my friend to Kyoto.
「私の友達を京都に連れていきたい」
② I will go to Kyoto with my friend Hiro.
「友達のヒロと一緒に京都に行きます」
この例では「京都」という広い地域にしているけど、水族館、テーマパーク、店やショッピングモール、公園などでもいいね。
①では単にmy friendと書いたけど、②では友達の名前を挙げている。「学校の友達」とあるので身近な友達を思い浮かべながら場所を選ぶといいね。この問題では、必ずしも友達の名前を書く必要はないけど、②では、ある特定の友達を考えながら書いた英文ということが分かるね。
英文は①のほうが「連れていく」という指示に合っている。でも、もし「連れていく」という表現が思い浮かばなかったら、②のように書いてもOKだよ。英語に直せない表現があっても諦めないで、同じような内容になる表現を探すことが大切だ。
【その2】 その場所を選んだ理由を書く
(例)
① He likes to study Japanese history.
「彼は日本の歴史を勉強することが好きです」
② Kyoto has a lot of famous places to visit.
「京都には訪れるべきたくさんの有名な場所があります」
2文目には選んだ理由として、場所の特徴(そこでできることや見られることなど)を書こう。
場所を選ぶときに、自分を中心に選んだのか、連れていく友達のことを考えて選んだのかで書き方が少し変わることがある。①は、友達のことを考えて場所を選んだことが分かるね。②は京都の一般的な特徴を述べている。どちらでもOKだよ。
【その3】 追加の情報を書く
(例)
① Also, we can enjoy Japanese sweets there.
「また、そこでは日本のスイーツを楽しめます」
② I think he will like the beautiful gardens there.
「彼はそこの美しい庭園を気に入ると思います」
3文目には追加の情報を書こう。①のように、さらにその場所の特徴を述べたり、②のように、具体的なことを述べたりできるね。
理由を2つ書くときには、2つ目の理由にAlso, ~.を使うといいよ。便利な言葉なので覚えておこう。
<解答例>
I want to take my friend to Kyoto. Kyoto has famous temples and shrines. Also, it has many popular restaurants, so we can enjoy both sightseeing and eating.
「私は友達を京都に連れて行きたいです。京都には有名な寺や神社があります。また、京都には多くの人気のあるレストランがあるので、観光と食べることの両方を楽しめることができます」
今回のまとめ
今回は、指示文に書かれている状況をよく考えて、まとまりのある文章を書く練習をしました。自分でもテーマを見つけてまとまりのある文章(話題について一貫している文章)を書いてみてください。「一番言いたいこと」「その理由」「追加の情報」を書くといいですね。
今回は3文程度で書く練習をしました。次回はもう少し語数の多い文章を書く練習をします。お楽しみに!
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