第2回 読書で読解力を高めよう: 本多敏幸先生の英語学習アドバイス

本多 敏幸(ほんだ・としゆき)

今月も本多敏幸先生が、よくある英語学習の悩みを解決するためのアドバイスを送ります。第2回の今回は、読解力を上げる方法です。読書の秋、日本語でも英語でも読書に取り組んでみましょう。

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【1】文章の理解に必要なこと

 

秋真っただ中の10月は、比較的過ごしやすく、「スポーツの秋」、「食欲の秋」、「芸術の秋」そして「読書の秋」などと言われています。皆さんは本をたくさん読んでいますか?

 

読書をしている人は、自分の好きなジャンルだけでなく、様々なジャンルの本を読んでみましょう。普段の読書は、国語はもちろん英語の読解力を上げるのにも役立ちます。

 

文章を理解するために必要なものは、第1に語彙の知識、第2に文法や構文などの知識です。まず単語の意味が分からないと、文の意味は理解できません。また、単語が分かっても文法や構文が分からなければ、正しく理解できません。

 

文章を読むとき、皆さんは内容を頭の中でイメージしたり、これまで経験したことや学んだことと結び付けたりしながら読んでいるはずです。頭の中でイメージできないことは、言葉の意味が何となく分か分かったとしても、内容をしっかりと理解できないことがあります。

 

日常的な話題については理解できても、社会的な話題についてはその話題の知識がなければしっかりと理解することができない可能性があるのです。

 

 

 

【2】単語は「7回出会えば覚える」

 

長文読解に欠かせない語彙力は、文章に触れれば触れるほど身に付きます。単語は「7回出会えば覚える」とよく言われます。

 

2、3回、読んだり聞いたりするくらいでは単語は覚えられません。なぜなら忘れてしまうからです。何度も触れることで自分のものになります。

 

例えば、学校で他の学年の生徒とちょっと接したとしても、それから長い間接しなければ、顔くらいは覚えているかもしれませんが、名前などの情報はだんだん忘れてしまうでしょう。

 

そこで、英単語に何回も出会う(=英語の語彙力を身に付ける)ために、洋書を読むことをお勧めします。教科書で習った単語が出てくれば、「あ、これ教科書にあった」と思い出すこともあるでしょう。また、その本を読んでいくうちに、何度も出てくる単語は、自然と定着していきます。

 

洋書でなくても、英語の新聞やウェブの記事を読むのもいいですね。読む以外にも、英語の映画や動画を見るなど、単語に触れる(出会う)機会を多くつくりましょう。

 

ただし、たった1回でも強い印象を何かに対して持った場合には、そのことを忘れないでいることがあるのと同じで、語彙も「この単語は面白いなあ」「あの単語の仲間なんだ」などと印象が強ければ、1回出会っただけでも頭に残る可能性はあります。

 

 

 

【3】知識や経験が増えると英語力もアップする

 

大学入試に出題される国語や英語の長文を見ると、社会的な問題、自然科学の話題など、たくさんの異なる題材について書かれています。最近の話題については新聞や雑誌などから取り上げられていることが多いです。また、昔のことも題材になっています。

 

自分が知っている題材であれば、比較的楽に内容を理解できますが、まったく知らないことついてはなかなか理解できないものです。

 

幅広く、様々な本を読んでいる人は知識が豊富なので、英語の文章読解で有利になることがあります。また、新聞を読んでいる人は最近の情勢を把握しているので、「あ、このことね」と理解が早く進む場合があります。

 

また、知識の有無で最も影響が出るのが英作文です。知っていることは書けますが、知らないことは書けないからです。題材について何を書いたらよいのか思い浮かばないために、設問に合わないことを書いてしまう人が見られます。

 

幅広い知識を得るには本や新聞を読むことが欠かせません。秋の夜長にぜひ、読書をしてみてください。

 

 

「本多敏幸先生の英語学習アドバイス」リストページ

https://www.ei-navi.jp/news/honda/list/

 

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この記事の筆者について

本多 敏幸(ほんだ・としゆき)

PROFILE

東京都の教員として38年間勤務。現在、千代田区立九段中等教育学校、都留文科大学、文教大学で講師として教えるほか、NHKラジオ「中学生の基礎英語レベル1」の講師として活躍。ELEC同友会英語教育学会会長。学習指導要領の改訂に関わる。また、全国各地で教員向けの講演を行っている。
著書に、本多式中学英語マスターシリーズとして『反復基礎』『短文英単語』『速読長文』(以上文藝春秋)、『中学校外国語新3観点の学習評価完全ガイドブック』、『入試英語力を鍛える!授業アイデア&パワーアップワーク40』(以上明治図書)、『若手英語教師のためのよい授業をつくる30章』(教育出版)、『NHK CD BOOK 中学生になるまでに身につけたい! 小学英語 パーフェクト・レッスン』(NHK出版)など多数。

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