【第5回】一般選抜でも外部検定を活用してみよう!
2024/08/14
前回は、英検®について詳しくチェックしたほか、最近注目の検定にも触れました。この時期は、総合型選抜・学校推薦型選抜の準備が終わって、あとは出願と試験を受けるだけという人も多いのでは? でも、もしものことを考えて、今から一般選抜も準備しておいた方が安心です。今回は一般選抜について外部検定の活用も含めて詳しく見ていきましょう。
一般選抜の出願は、12月中旬~3月下旬、試験は1月中旬~3月下旬になります。ただし、大学や学部・学科によってスケジュールは異なるので募集要項などで確認してください。国公立大学を受験する場合は、「大学入学共通テスト」+「(大学の)独自試験」という形で実施されます。
この「大学入学共通テスト」は、2024年度(2025年1月実施)から出題科目に「情報」が新設され、これまでの6教科30科目から7教科21科目に変わるので注意が必要です。
一方、私立大学では「独自試験」のみ実施するのが主流ですが、大学入学共通テストの結果を合否判断に利用する「大学入学共通テスト利用入試」を採用する大学も増えています。それぞれの特徴を理解しておくことが大切です。
大学入学共通テストの変更。でも心配はいりません!
「大学入学共通テスト」は、2025年1月18日と19日に実施される2024年度から新しく「情報」科目が加わり、地理歴史、公民の出題科目が再編されるほか、数学②は「数学Ⅱ、数学B、数学C」の1科目にまとめられ、試験時間が延長されます。国語は試験時間の延長のほか、問題構成や配点が変更される予定です。
国立大学を受験する場合は、原則「情報Ⅰ」が必須科目となります。大学入学共通テストの変更で心配になっている高校生も多いと思いますが、この変更は2022年4月から採用された新学習指導要領に対応したもの。つまり現在の高校3年生は、新課程での教科書を使ってきたので、それに沿って勉強していれば心配はありません。
私立大学では大学入学共通テスト利用入試が増えている
私立大学での「独自試験」は3科目の受験が基本です。私立大学しか受けないから大学入学共通テストは関係ない! なんて思っていたら大間違い。私立大学しか受けない場合でも大学入学共通テストを受けることで受験機会を増やすことができます。
注目したいのは、「大学入学共通テスト利用入試」です。この入試は、共通テスト利用入試と一般入試のどちらにも出願でき、複数の大学や学部・学科に出願できるメリットもあるので合格のチャンスが増えるというわけです。2023年度に共通テスト利用入試を採用した私立大学は8割以上にのぼり(※)、押さえておくべき試験であることは間違いありません。「大学入学共通テスト利用入試」でも英語外部検定が利用できる場合があるので募集要項などでチェックしてください。
英語外部検定を取得して有利に志望校合格を目指そう!
英語外部検定は、私立大学を中心として受験に活用する大学が増えており、英語外部検定を取得しておくメリットは大きいといえるでしょう。第2回で紹介しましたが得点換算、加点、判定優遇・合否参考、試験免除などのメリットがあり、なかでも英語試験の点数に換算される「得点換算」、英語試験に得点が加算される「加点」、英語の試験が免除される「試験免除」は、必要な英語資格を取得しておけば、他の科目に集中して勉強することができるでしょう。もちろん、「判定優遇・合否参考」も出願書類の評価や合否判定の際に参考にされるので受験生にとっては有利なはず。
ちなみに一番人気の英検®は有効期限のない資格ですが、大学受験に活用する際は、出願時から2年以内に取得した英語資格が有効と学校独自の基準を設けているケースもあります。あらかじめ有効期限を入試要項で確認しておきましょう。
外部検定試験は一般選抜でもメリットがある?
今や英語外部検定利用入試は多くの大学に広がりつつあります。その傾向は私立大学のみならず2024年度入試では、秋田大学や茨城大学、千葉大学、東京芸術大学、金沢大学、大阪教育大学、岡山大学、広島大学、愛媛大学、九州大学、鹿児島大学など国公立大学でも採用されています(※)。今後も英語外部検定利用入試を取り入れる大学は増加することが見込まれますので、一般選抜に備えるためにも、検定取得にチャレンジしてみて損はないでしょう。
また英語以外では漢検を採用している大学も多く、さまざまな優遇措置が設けられています。ただ、英検®に比べると採用大学はまだ少ないのが現実。募集要項を確認して、漢検が活用できるか事前にチェックしておきましょう。
※英ナビ!調べ
おすすめ記事
-
2024/09/13
- 第6回(最終回) 外部検定は利用しないともったいない!
- これまで5回にわたって英語や漢字、数学などの外部検定利用入試についてお伝えしてきましたが、いよいよ最終回です。これまでチェックしてきたポイントをもう一度振り返りながら、外部検定を活用するメリットをまとめてみます。
大学受験を有利に進める!英語外部検定利用入試のススメ
-
2024/07/12
- 【第4回】英検®深掘り+注目の検定もチェック!
- 第3回記事では、英語外部検定をはじめとする各種検定のオススメをご紹介しました。なかでも「英検®」の準2級・2級が狙い目とお伝えしました。今回はさらにこの「英検®」について深掘りしていきます。加えて、最近注目の英語外部検定であるTEAP®やIELTS ™、コンピューターを使った検定「漢検CBT」についても見ていきましょう。
大学受験を有利に進める!英語外部検定利用入試のススメ
-
2024/06/14
- 【第3回】数ある外部検定からどの検定を狙うべきか?
- 前回は、どのように英語外部検定が大学入試で活用されるのかについて解説しました。しかし英語外部検定といってもいろいろありますよね。英検®をはじめ、TEAP®、TOEFL®、GTECなど。さらに英語外部検定以外にも漢検や数検など、さまざまな検定があり、どれを選べばいいのか迷います。そこで今回は、英語外部検定をはじめ、その以外の検定も含めてオススメの検定をご紹介します。
大学受験を有利に進める!英語外部検定利用入試のススメ