第6回(最終回) 外部検定は利用しないともったいない!

これまで5回にわたって英語や漢字、数学などの外部検定利用入試についてお伝えしてきましたが、いよいよ最終回です。これまでチェックしてきたポイントをもう一度振り返りながら、外部検定を活用するメリットをまとめてみます。

 

 

英検®やTOEIC、TOEFL、TEAP、IELTSなど、民間企業が行っている英語検定をはじめ、漢検(日本漢字能力検定)や数検(実用数学技能検定)などの成績を、大学受験に利用する「外部検定利用入試」。この入試方法が注目されるようになったのは、この入試方式を実施する大学がどんどん増えているから。いまでは500校以上の大学や短大で活用され、その活用校増加の傾向は、これからも続くと考えられます。受験生にとっては、外部検定を受けておいた方がよりメリットが大きいといえるでしょう。

 

 

メリット① 目標の級まで何度もチャレンジ可能

 

同じ大学の同じ学部は、ほとんどの場合1回しか受験できません。つまり大学受験は一発勝負です。しかし英語をはじめ漢字、数学などの外部検定は、年に複数回実施されているものがほとんどなので何度でも挑戦することができます。

例えば、「英検®(従来型)」は年に3回。「英検S-CBT®」は原則、毎週実施されるので都合に合わせて受けられるうえ、4月~7月、8月~11月、12月~3月の各検定期間に、同じ級を2回まで受験することができます。つまり英検®(従来型)とあわせると最大3回まで受験可能で年間では9回受験することができます(2024年度第2回検定では、英検S-CBT®は同一級を3回まで、英検®(従来型)とあわせ最大4回まで受験可能)。目標としている級やスコアに達するまで、何度もチャレンジすることができるので早いうちから受験しておくといいでしょう。

 

 

メリット② 他の受験科目に集中して勉強できる

 

英語外部検定利用入試の場合、大学によっては、級やスコアに応じて「試験免除」や「満点換算」、「得点換算」、「加点」といったアドバンテージを設けています。つまり、大学入試で英語試験が免除されたり、英語の点数に換算してくれたりする制度です。また大学によっては、本試験の英語も受験でき、どちらか良い方を得点として採用してもらえるケースもあります。試験免除や満点換算ならば、他の受験科目を集中的に勉強することが可能になり、大学受験の負担軽減になります。得点換算や加点でも、英語対策にかかる負担は大きく減ることでしょう。高校1、2年生のうちから英語外部検定を受けておけば、ライバルよりも早く受験対策に取り組んでいると言えるかもしれません。

 

 

メリット③ 受験合格の決め手につながる

 

検定試験の級やスコアを利用することで、学校推薦型選抜や総合型選抜での出願資格を満たすことができるのは大きなメリットです。「判定優遇」や「合否参考」は、外部検定の級やスコアを持っていれば、出願書類の評価や合否判定の際に参考にされるという仕組み。大学入試時に当落線上に複数の受験生がいた場合に優先されるわけです。つまり外部検定の成績が合否を分けることになるかもしれません。このほか、特待生の資格取得や内申点に加算されるというメリットや授業料の一部を免除してくれる大学もあります。

 

 

メリット④ いろいろ役立つ、将来もずっと使える

 

外部検定利用入試は多くの大学で採用されているので、外部検定の級やスコアを取得しておけば、志望校だけではなく、複数の大学でも使うことができます。さらに、例えば英検®は一度取得してしまえば一生有効な資格なので、大学入試だけでなく、将来の海外留学や就職、転職の際にも英語力の証明として活用できるほか、通訳ガイド試験など、他の検定試験にも役立ちます。

 

 

これからの英検®

 

英検®は2024年度から4技能をよりバランスよく学べるようリニューアルしています。新しい試験では、3級以上のライティングの問題が1題から2題に増えました。既存の意見論述問題はそのままで3級と準2級にEメール問題が追加され、2級、準1級、1級には要約問題が追加されています。

英検®の合否判定スコア(英検®CSEスコア)は、リニューアル前後も同様で資格としての価値も変わりません。また、2025年度からは、準2級と2級の間に新たな級として「準2級プラス」が導入される予定となっています。大学によっては英語外部検定利用入試で採用スコアなどの変更も予想されますので、最新の入試要項などをチェックするようにしてください。

 

 

最後に

 

6回にわたって解説してきた外部検定は、受験生にとってのメリットが多く、志望校合格への近道だということが、おわかりいただけたと思います。特に英検®は数ある外部検定の中で採用率が高く、試験会場が多く、さらには検定料も安いのでおすすめ。大学入試における英検®の資格は2年有効の大学が多いので、高校1年生や2年生のうちからチャレンジして、この大きなアドバンテージを生かしながら志望校合格を目指してください!

 

 

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