勉強の能率が上がる場所は?と尋ねれば、多くの人が挙げるであろう図書館。皆さんも身近なところにある図書館でいつも勉強していたり、仕事が忙しくて図書館から遠ざかっている人も、学生の頃に通った思い出があるのでは? そんな図書館なのですが、紀元前から存在していたことを知っていましたか?
日本図書館協会の「図書館について」というページに、紀元前まで遡る図書館の歴史が紹介されています。
紀元前7世紀にはアッシリアに粘土板の図書館があり、また古代最大の図書館といわれるアレクサンドリアの図書館には、紀元前3世紀にはすでに所蔵資料の目録が備えられていました。
人類の文化遺産の記録を集積した図書館は、長い間ごく少数の人たちが研究のために利用するものでした。今日のように、あらゆる人々が自由に資料に接することができるようになったのは、19世紀後半の公共図書館の成立以降のことです。
ちなみにアレクサンドリア図書館は、エジプトのファラオ・プトレマイオス1世によって建てられ、所蔵文献はパピルスの巻物。蔵書は巻子本にしておよそ70万巻にものぼったそうです。
アレクサンドリア図書館の蔵書や建物は、虫害や破壊でほぼすべてが失われましたが、どんな様子だったのか、想像してみるだけで楽しくなりますよね。
また図書館は、かつては研究者など限られた人だけが利用するものでしたが、日本図書館協会のページにあるように、現在では、誰でも自由に利用することができます。
図書館の理念をおさらいするために、日本図書館協会の「図書館の自由に関する宣言」(1979年改訂)から一部をご紹介してみます。
すべての国民は、いつでもその必要とする資料を入手し利用する権利を有する。この権利を社会的に保障することは、すなわち知る自由を保障することである。図書館は、まさにこのことに責任を負う機関である。
すべての国民は、図書館利用に公平な権利をもっており、人種、信条、性別、年齢やそのおかれている条件等によっていかなる差別もあってはならない。
図書館は、憲法の原理である基本的人権を保障するための機関だったのですね。いつも利用している図書館ですが、その歴史を振り返ってみると、心が改まる気持ちがしませんか?
思わず行ってみたくなる日本の図書館5選
最後に、思わず行ってみたくなってしまうような、魅力的な図書館5選を所在地が北から順番にご紹介したいと思います。
国際教養大学「中嶋記念図書館」(秋田県秋田市)
http://web.aiu.ac.jp/undergraduate/support/nakajima-library
24時間365日開館の図書館(※一般利用については利用時間が決められています)。「いつでも勉強する場を提供したい」との大学の思いが込められています。建物も、学習意欲を喚起する「本のコロセウム」をテーマとした「半円」のユニークなデザイン。秋田県立図書館の図書をはじめ、国内の他大学図書館や研究機関などの資料を取り寄せることもできます。「Googleマップ ストリートビュー」で館内の様子を見ることができます。
北区中央図書館(東京都北区)
http://www.city.kita.tokyo.jp/chuo-tosho/bunka/toshokan
大正8年(1919年)に建設された「赤レンガ倉庫」の建物と新築部分を一体化させて造られ、「赤レンガ図書館」の愛称で親しまれています。吹き抜けや中庭も使用したゆったりとした建築になっており、ドラマや雑誌の撮影にも多く利用されています。
金沢文庫(神奈川県横浜市)
https://www.planet.pref.kanagawa.jp/city/kanazawa.htm
金沢文庫は、鎌倉時代の中頃に北条氏一族(金沢北条氏)の北条実時が邸宅内に造った武家の文庫。現在は歴史博物館となっています。金沢北条氏は鎌倉幕府とともに滅びましたが、金沢文庫は隣接する菩提寺の称名寺によって管理され、昭和5年(1930年)に神奈川県の運営する文化施設として復興。平成2年(1990年)から装いも新たに歴史博物館として活動を行っています。
広島市まんが図書館(広島県広島市)
http://www.library.city.hiroshima.jp/manga/
今では多くの図書館でマンガの蔵書に力を入れていますが、広島市まんが図書館は、公立では初めてのマンガ専門図書館。読み過ぎは勉強の妨げになるかもしれませんが、マンガファンは一度は行ってみたいですよね。
武雄市図書館・歴史資料館(佐賀県武雄市)
https://www.epochal.city.takeo.lg.jp/winj/opac/top.do
館内にスターバックスコーヒーを併設し、購入した飲み物を閲覧スペースに持ち込み、コーヒーを読みながら本を読むことができます。ニュースなどでも取り上げられていますので、見かけたことがある人も多いのでは。こちらも「Googleマップ ストリートビュー」で館内の様子を見ることができます。
いかがでしょうか。みなさんの身近な場所にも、まだまだ素敵な図書館がたくさんあるかもしれません。勉強をしながら図書館巡りをしてみると、楽しみが増えるのではないでしょうか。
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