夏休みシーズンになりました。バカンスも楽しみですが、資格取得や試験合格を目指す人には、まとまった休みが取れる夏は大切な季節。そこで、勉強の効率が上がる朝の時間の効用に迫ってみました。
受験生にとっては、夏休みの過ごし方で差が付くともいわれます。日頃は忙しくてまとまった時間が取りづらい人も、夏は、集中して資格取得や試験合格のために勉強できる季節かもしれません。
そこで、覚えておきたいのが、朝の時間の効用。朝は頭がすっきりとして勉強の効率が上がるということです。
ところで、なぜ、朝は集中して勉強ができるのでしょうか。その秘密は、脳の働きにあるようです。
寝ている間に脳が最適化!
大学教授や研究者たちによって開設されている、いい寝!フォーラムのサイトで、脳化学から検証した睡眠の効用が紹介されています。
睡眠中も脳は活発に活動しているそうです。サイトにはこう書かれています。
睡眠は「脳を休めること」と思っている人も多いのですが、逆に休めるどころか睡眠中にも脳は活発に活動して記憶を強化しているのです。
脳の神経細胞同士は、シナプスという接触部を介してネットワークを作っていくそうです。起きている時は、様々な情報が脳に入ってくることにより、シナプスの数が増え続けます。「パソコンの操作にたとえると、作業を続けてデスクトップを新たに作成されたファイルが埋め尽くしているイメージ」とのこと。
睡眠には、シナプスを整理し、脳の中の情報を最適化する働きがあると書かれています。
ビジネスパーソンが夕方になってデスクトップ上のファイルを整理するように、脳も日中に入力された情報を睡眠中に整理して記憶を強化しています。増えすぎた不要なシナプスを削り、神経細胞同士の結びつきを最適化するために新たなシナプスを増やしたりするのです。
質量ともに最適な睡眠を終えた脳は、不要な情報が整理され、新たな情報を受け入れるためのシナプスが用意されている状態。朝は、頭がすっきりとして、勉強した内容が入りやすいといえるのですね。
朝型の生活は健康にも貢献
さらに、朝型の生活をすると、様々な効用があります。
文部科学省が推奨する、早寝早起き朝ごはん全国協議会のサイトにて、早寝早起きの実践で得られる効用が紹介されています。いくつかピックアップしてみます。
1. 勉強やスポーツの成績がよい
早寝早起きをしている朝型の人は、遅寝遅起をしている夜型の人に比べ、勉強とスポーツの成績がよい傾向にあります。
2. 生活習慣病になりにくい
夜型の生活や睡眠不足が続くと、日中の眠気や意欲低下、記憶力低下などを引き起こすことに加え、体内のホルモン分泌、体温・血圧の調整など、体の様々な機能に悪影響が出て来ます。十分な睡眠を取り、早寝早起きを実践することが生活習慣病の予防に繋がります。
3. 肥満防止になる
夜型の生活をすると、体にとって不適切な時間帯に食事を取ることになり、太りやすくなります。
ほかにも、朝型の生活をすると、物事に集中しやすくなる、イライラが収まる、肌荒れや便秘予防に繋がることなども解説されています。
早寝早起きをして、十分な睡眠を取ると、勉強の効率が上がることに加え、健康面でもたくさんのメリットがあるのですね。
おすすめは、朝の光を浴びること
最後に、早起きをした朝、勉強の前にやってみたいことを、ご紹介します。それはズバリ、朝の光を浴びること。
同じく、早寝早起き朝ごはん全国協議会のサイトに、朝の光を浴びることが望ましい理由も書かれていました。
地球は24時間で1回転し、地球が太陽の周りを1年間かけて回ることで季節の変化が生まれます。
ヒトを含めた地球上に暮らすほぼ全ての生物は「体内時計」と呼ばれる時間や季節を知るためのメカニズムを持っているそうです。
ただ、ヒトの体内時計の周期は通常、24時間よりも長めに設定されているとのこと。 そこで、朝に起きた後、日の光を浴びると、体内時計が早まり、24時間に調整されるのです。
時差ボケ状態にならずに、心身ともにベストのコンディションで1日を過ごすことができ、もちろん、勉強もはかどるというわけです。
いかがでしょうか? 夏の朝は、窓を開けて朝の光をいっぱいに浴びるだけで爽快な気分になることができます。早寝早起きが健康に良いことは分かりつつも、夜型の生活が続いている人は、この夏こそ、早寝早起きにチャレンジしてみてはいかがでしょう。