グローバル化の浸透により、英語を習い始めた小学生や中学生たちが、「読む・聞く」に加え「話す・書く」という実用的な英語を学習できる環境が整いつつあります。
文部科学省が、中学卒業程度の英語力の達成目標として、面接でスピーキング力が問われる英検3級の取得を掲げたことも後押しをしています。今後ますます、小学校や中学校でも、英語4技能の学習が重視されていくことでしょう。
英検4級・5級 スピーキングテストをご存知ですか?
筆記試験とリスニング試験だけで合否が決まる英検「4級」と「5級」の受験者も、スピーキングテストにチャレンジできることを知っていますか?
「より多くの英語学習者にスピーキングテストを体験していただきたい」という思いから、2016年度より英検4技能化の一環として、英検4級と5級の受験者は全員無料でスピーキングテストが受験できるようになりました。
今回は、4級・5級 スピーキングテストについて詳しく紹介します。
どんなテストなの?
4級・5級 スピーキングテストは、面接での対面形式ではなく、パソコン/スマートフォン/タブレット端末を用いたCBT(Computer Based Testing)方式で行われ、コンピュータ端末を利用しインターネット上のスピーキングテスト専用の受験サイトにアクセスして、解答を録音する方式です。
例題画面(PC版)
英文の説明が添えられたイラストを見て、イラストの内容に関する質問に答えるというもの。下記のページで、スピーキングテストの進め方の確認と、本番と同様の画面で例題を試すことができます。
受験日の指定はなく、申込をした回次の二次試験日から1年間いつでも受けることがでるため、自分のペースで受験できるテストなのです。
また、英検4級・5級の合否判定は、従来通り1次試験(筆記・リスニング)の結果のみで行われます。スピーキングテストの合格者には、英検4級、5級の級認定とは別に、「4級(5級)スピーキングテスト合格」という資格が認定されます。
受験方法はアクセスするだけ
受験方法は、いたってシンプルです。
4級・5級の受験者に送られてくる合否が記された成績表に、「英検ID」と「パスワード」が記載されています。その英検IDとパスワードを使って、自宅や学校のパソコン/スマートフォン/タブレット端末からインターネット上のスピーキングテスト受験サイトにログインするだけで、受験することができます。
例題画面(iOSアプリ版)
スマートフォン/タブレット端末から受験する方は、専用アプリをダウンロードしておきましょう。
受験する環境によっては、マイクやヘッドセット等の機器が必要となりますので、下記のページで準備物や機器の設定方法を確認しておきましょう。
4級・5級スピーキングテスト|どうやって受験するの? <テスト受験の流れ>
スピーキングテストの結果は、受験後にメールアドレスを登録しておけば、そのアドレス宛に「採点完了通知メール」が送られてきます。メールアドレスを登録しなかった場合は、約30日後からログインすることで試験結果を閲覧することができます。
テストを受けるメリットは?
4級、5級 スピーキングテストを受験し合格すると、「スピーキングテスト合格」という資格が与えられるだけではなく、英検CSEスコアを使い、自分がどのくらいの点で合格(不合格)だったのかを確認することができます。
英検CSEスコアとは、ユニバーサルな尺度から現在の英語力がどのくらいに位置するのかを知ることができる成績表のこと。スピーキングテストを受験することで、自分の「話す」力がグローバル基準でどのくらいなのかを知ることができ、3級合格へ向けて計画的に学習を進めることができます。
また、中・高の英語教育で4技能が重視されると同時に、小学校での外国語(英語)活動でも4技能がますますクローズアップされることが予想されます。4級・5級 スピーキングテストを受ければ、英語の習い始めの段階から「スピーキング」と向き合うことができ、中・高での英語学習や、その先にある大学受験への準備を、早い段階から始めることができます。
現在、英語を学んでいる小学生、中学生たちが社会に出て活躍する2030年頃には、英語を話せて、書けることが当たり前になっているかもしれません。英検4級、5級のスピーキングテストは、そのような社会の到来を先取りする形で導入されたといえるテストです。ぜひ、この機会に受験してみてはいかがでしょう。