【第2回】英語検定が大学入試でどのように有利になるのかチェック!
2024/05/15
前回は、受験で有利になる「英語外部検定利用入試」という仕組みがあることを紹介しました。有利になると言ってもどのようなメリットがあるのか気になりますよね。 そこで今回は、実際に英検®などの各種英語外部検定がどのように大学入試で活用されるのか、どんな活用パターンがあるのかを詳しく見ていきましょう。
英検®やTOEFL®、TOEIC®といった英語外部検定を持っていると、実際に大学入試でどんなメリットがあるのかをより具体的に見ていきます。
たとえば、英検®の場合は出願資格、判定優遇、合否参考、試験免除、得点換算、加点などさまざまな活用方法があります。ただし、活用方法や優遇措置は、大学や学部によって異なります。
ある程度、志望大学が絞れている人は早めに調べて準備しておくことが大切です。
英語検定で大学入試が有利になる5つの活用パターンを知っておこう
英語外部検定が大学入試で有利になる活用方法は大きく分けて5つのパターンがあります。それは①出願資格、②得点換算、③加点、④判定優遇・合否参考、⑤試験免除です。ただ、これらの活用方法は、大学や学部によって違います。また、採用する外部検定の種類や、認定する級・スコアなどの基準も大学・学部・学科・選抜区分によって異なります。
自分の志望校がどのように英語外部検定利用入試を採用しているのか、事前にホームページや募集要項などでしっかり確認しておきましょう。
【1】出願資格
入試出願に英語外部検定の級・スコアを持っていることが「必須条件」になっているパターンです。一部の大学や、外国語学部など一部学部では、条件を満たす級やスコアを持っていないと出願できません。とくに総合型選抜や学校推薦型選抜による受験では、出願の条件に定めている場合が多くなっています。
【個別学部日程B方式】
英検®準1級以上、IELTS5.0以上、TOEFL iBT®57点以上、TEAP(4技能)309点以上、
TEAP CBT600点以上、TOEIC®1095点以上([L&R]と[S&W]の合計)、GTEC1110点以上を「出願資格」とします。
例)学習院大学-経済学部
【学校推薦型選抜(公募制)】
基準 GTEC 1050 点以上(4 技能オフィシャルスコアに限る)
英検®2 級以上合格且つ CSE スコア 1980 点以上、TOEFL iBT®42 点以上、IELTS Overall Band Score 4.5 以上などを「出願資格」としています。
【2】得点換算
英語外部検定の級・スコアが、英語試験の点数に換算されるパターンです。検定の成績次第では、「満点」に換算される場合もあります。また、大学によっては、換算得点と入試当日の英語点数を比較して、成績の良い方を合否判定に採用するケースもあります。国立大学でも検定試験の点数を大学入学共通テストに換算しているところもあります。
【一般選抜】
英検®:2,250以上、TEAP:270以上などで共通テスト得点率(英語)90%。英検®:2,150~2,249、TEAP:235~269などで80%。英検®:2,050~2,149、TEAP:220~234などで70%を大学入学共通テスト(英語)の得点に換算し、大学入学共通テスト(英語)の成績とみなして合否判定に利用します。
例)東海大学―文系・理系学部
【統一選抜】
英検® 2級、GTEC(検定版・CBT) 930-1179、TEAP 225-308などで換算点75点。英検® 準1級以上、GTEC(検定版・CBT)1180以上、TEAP 309以上などで90点を「英語」の得点へ換算します。
【3】加点
英語外部検定の級やスコアに応じて英語試験に得点が加算されるパターンです。たとえば、200点満点の試験で160点だった場合、英検®1級を持っていれば20点プラスで180点になるような優遇の仕組みです。一般的に、英語試験の満点を超えて加算されることはありません。
【前期】
英検®1級または準1級(2300以上)、TEAP®309以上、IELTS6.5以上、TOEFL iBT®80以上で満点換算。英検®1級(2180以上)、TEAP®280以上、IELTS5.0以上、TOEFL iBT®62以上で20点加点など、資格レベルに応じて個別試験の得点に加算します。
例)早稲田大学-国際教養学部
【一般選抜(共テ・独自試験併用)】
英検®1級、IELTS7.0、TOEFL iBT®95以上などで20点。英検®準1級、IELTS5.5~6.5、TOEFL iBT®72~94以上などで14点。英検®2級、IELTS4.0~5.0、TOEFL iBT®42~71などで7点など資格レベルに応じて加点します。
【4】判定優遇・合否参考
直接点数などにはなりませんが、外部検定の級やスコアを持っていれば、出願書類の評価や合否判定の際に参考とされる、あるいは優遇を受けられるというパターンです。たとえば、英語の学科試験の得点がボーダーライン上にあった場合、英検®取得者が優遇されるといったイメージです。
【5】試験免除
外部検定の級やスコアが基準を満たせば、英語の試験が免除されるパターンです。「出願資格」や「得点換算」と組み合わせて試験免除となる場合が多く見られます。これによって勉強時間を英語以外の科目に集中して使えるメリットがあります。ただし、英検®2級や準1級以上と高い級を条件としている大学が多いようです。
【一般選抜 英語4技能資格・検定試験】
英検:総合スコア2200かつ4技能それぞれ530、TEAP:総合スコア2904かつ4技能それぞれ70、TOEFL iBT®:総合スコア64かつ4技能それぞれ13などで外国語試験が免除となります。総合スコアだけでなく各技能スコアも基準をすべて満たす必要があります。
例)千葉大学-国際教養学部
【一般選抜】
英検:スコア2300以上、1級または準1級。GTEC1190以上、IELTS6.5以上、TEAP309以上などで満点として換算することが認められた場合,個別学力検査における外国語の受験を免除します。
今回ご紹介した5つの活用パターンは、どれも英語外部検定である程度の級やスコアを持っている受験生にとってはアドバンテージとなるでしょう。受験を有利にして志望校の合格を目指すなら、早いうちから英語外部検定を受けておくことがお勧めです。なお、上記の例は、昨年のものです。必ず募集要項で最新情報を確認しましょう。
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