先日、2015年度の英検テストファミリー(「実用英語技能検定」,「英検IBA」,「英検Jr.」)の総志願者数が発表されました。
中高生のカテゴリーで急増
2015年度の英検テストファミリー総志願者数は、前年度比122.4%(589,955人増)となる3,225,358人でした。
カテゴリー別では、「小学生以下」が約36万人、「中学・高等学校」が約247万人、「大学」が約7万人、「その他」が約33万人となりました。
前年度と比較すると、すべてのカテゴリーで増加。特に「中学・高等学校」では前年度比128%、約54万人という急激な増加が見られました。「小学校以下」でも前年度比107.2%、約2万人の増加。また、「小学校以下」の志願者数は目下のところ5年連続で増加中です。
過去5年間の英検テストファミリーの受験状況
※単位は「人」 ※「中学・高校」には高専を、「大学」には短大・専修学校を含む。
中学校在学者の総数は、過去5年間右肩下がり。毎年2〜3万人減少し続けています。人口が確実に減っている中、英検を受験する人は増え続けており、近年、英検に対する意識が急激に高まっていることが分かります。(文部科学省 学校基本調査より)
英検テストファミリーとは
ところで、「英検テストファミリー(「実用英語技能検定」「英検IBA」「英検Jr.」)」とは何のことでしょう。「実用英語技能検定」は、いつも皆さんが受けている「英検」のことですが、英検IBAと英検Jr.という言葉は聞き慣れない方も多いかもしれませんので、英検も含め改めてご紹介いたします。
●実用英語技能検定(英検)
「実用英語技能検定 (英検)」とは、英語でコミュニケーションを取るのに必要な力を正確に測るための試験で、初歩段階の5級から、4級、3級、準2級、2級、準1級、1級までの7つの級に分かれています。50年以上の歴史を持つ英検は、国内最大規模の英語技能検定のひとつであり、中学〜大学での入試優遇や単位認定の他、留学時の英語力証明として認定されているなど、様々なメリットがあります。
●英検IBA
「英検IBA」とは、英検で使用した問題を使って、受験者の英語力(「読む」「聞く」の2技能)を英検級レベルとCSEスコア*で表示する英語能力判定テストです。一般的に、団体(学校・塾)が対象の試験であり、高校や大学入学時、もしくは入塾時に、英語能力を技能別に把握することでクラス分けの手立てとしてご活用されています。また、英検の受験前に生徒個々の現状の実力で適性級を把握することで、生徒たちは目指すべき級におおよそ合格でき、それにより生徒たちのさらなる学習のモチベーションアップにつながっています。
*「CSEスコア」とは、語学によるコミュニケーションレベルを示す国際標準規格である「CEFR」(CEFRは欧米で幅広く導入されています)に照らし合わせて、自分の英語力がどの程度なのかを知ることができるスコア表です。
●英検Jr.
「英検Jr.」とは、学校や塾を中心に幼児から小学生までの人が利用しているリスニングテストのこと。英語学習を始めたばかりの子どもたちが英語や異文化への興味と関心を広げ、英語によるコミュニケーションの楽しさを知ることを目的に実施されています。英検Jr.のテストは、音声を聞いてイラストを選ぶというゲーム感覚で受けることができ、学習意欲の向上にも役立ちます。
これら3つテストを合わせて「英検テストファミリー」と呼びます。
英検受験者が増えている要因
最後に、2015年度の英検総志願者数が増えた要因を、英検協会が分析し仮説を発表していますので紹介します。
●要因 1.
大学合否判定で、英語4技能(「読む」「聞く」「書く」「話す」)を評価できる、英検等の外部の資格・検定試験の導入が本格化しているため。
●要因 2.
文部科学省の掲げる、「第2期教育振興基本計画(平成25〜29年度)」において、中学生と高校生の学習指導要領に基づき達成される、それぞれの英語力目標として「英検」が表記されていること。 (中学校卒業段階で英検3級程度以上、高校卒業段階で準2〜2級程度以上を達成した中・高生の割合を50%以上にする)
●要因 3.
「CSEスコア」の表記により継続的な英語力の測定が可能であることから、全国の自治体で、地域内の各学校および生徒の英語力向上施策の一環として、「英検IBA」を活用して英語学習の目標設定から学習指導まで行う取り組みが増えたこと。
●要因 4.
「英検IBA」で判定された英検級レベルや「CSEスコア」により、「英検」の目標級が明確となり、実力に適した級の資格取得に向けて受験に挑戦する中・高校生が増えていること。
●要因 5.
低年齢層の英語学習に対する関心が高まるもとで、就学前の児童や小学生(低学年)の「英検Jr.」ならびに「英検」の需要が増加していること。
今回は英検受験者数増加の話題をお届けしましたが、今後、大学入試をはじめとする様々な場面で、実用的な英語力がより高く評価されていきます。英検取得に向けて計画的に取り組み、自分の可能性を広げてみてはいかがでしょうか。