語学学習をする上で、単語を学ぶことが大切なのは間違いありません。ただ、大学受験参考書の中でも「いつまでに」覚えて、「どうやって」覚えるかを書いているものは稀です。そこで今回は、「どれだけの量を」「いつまでに」「どうやって」覚えるかをお話しします!
どれくらい覚えるべきか ~大学受験に必要な単語数~
大学受験において英単語を覚えることは必須ですが、志望校などで覚えるべき単語の量は変わります。ただ、一般的には、中学で学んだ単語に加え1500語ぐらいを基本的な語彙と考え、2000語以上を難関大志望者が覚えるべき単語と考えられています。
市販されている単語集は大体2000語前後の単語を収録しているものが多いです。すなわち、大学受験に必要な単語を学ぶのに1冊もあれば十分であることがほとんどです。単語集選びはもちろん大切ですが、自分が選んだ単語集を最後までしっかりと覚えきることが何よりも大切です。何冊もの単語集を並行してやるより、1冊を集中して勉強しましょう。
もし、もう1冊単語集をやりたいと思った場合は、手元にある単語集を1冊覚えることができて初めて、検討すればいいでしょう。ただし、ほとんどの大学では2000語レベルの知識があれば長文を読めるので、新しい単語を覚えるための時間を「文法」や「構文」の学習に割くのも立派な選択です。
いつまでに覚えるべきか ~英単語学習に最適な時期~
結論から言いますと、「大学受験対策を始めてから1-2か月以内に」英単語を1500-2000語ほど覚えることをおススメします。英単語暗記のコツは「集中的な反復」です。1日1単語ずつ覚えてくという作業を100日間続けても、100日たったころには1日目にやった単語を覚えていないでしょう。最初は少し時間を費やしてもいいので、まずは腰を据えて単語を覚えることに集中するといいでしょう。
そして、単語学習は文法、読解をする上でも必須の知識であり、これが基盤となってほかの英語の知識が積みあがっていきます。最初にある程度英単語を覚えていくことは、その後の学習効果を高めるうえでも非常におススメです。
そして、1-2か月間集中して英単語を覚えきった後は、長文などで出会った未知の単語を覚えていくようにしましょう。2冊目の単語集に手を出すのもいいのですが、先ほども言った通り1冊あれば読解をする上で十分な単語の知識を身に着けることができます。したがって、1冊完ぺきにこなした後は単語集に手を伸ばすではなく、長文の中で見つけた単語を蓄えるなどして語彙力の底上げをはかるのがおススメです。
どうやって覚えるべきか ~定着する単語学習法~
英単語を覚える際に、「単語を分解して覚える」ことをおススメします。たとえば、”incredible”という単語はin-(否定) + credible(信じられる)に分解でき、意味は「信じられない」となります。単語の頭につく”in-”のようなものを「接頭辞」と言いますが、多く単語を覚えていくと、こうした接頭辞がたくさんの単語についていることに気づきます(invisible, insufficient, inactiveなど)。接頭辞を覚えるだけで記憶に定着しやすくなるだけでなく、推測などもできるようになります。
また、”darkness”などはdark(暗い) + -ness(名詞化する)で「暗さ」という意味になります。こちらの-nessは接頭辞と違い後ろにくっつくので「接尾辞」と言われ、単語の品詞を変える働きなどをします(-ness, -ty, -tionなど)。
何の手がかりもなしに2000語近くの単語を覚えることはかなり大変です。しかし、接頭辞や接尾辞は多くの単語で使われていて、それを覚えるだけでも単語の定着度をかなり高めることができます。覚える時には、その単語の成り立ちに目を向けるといいでしょう。
英単語の暗記は英語学習をする限り、ずっと向き合い続ける必要があります。ただ、ある程度まで単語を覚え、文章を読めるようになると、単語の暗記はとても楽しいものになります。英単語をしっかりと覚えて、大学受験の最高のスタートダッシュを切りましょう!