会話形式の問題はどのレベルの大学でも出題される形式の問題です。ただし、「会話している人数」「シチュエーション」などはさまざまで、長文と同じだけの分量の会話文を出す大学もあります。そんな会話形式の問題の勉強法を今回はご紹介します!
会話形式の問題のねらい
明治大学国際日本学部のホームページで、会話形式の問題(ホームページ上では「対話形式の問題」)の出題のねらいを次のように述べています。「リスニング問題が出題されない代わりに、日常のコミュニケーションで使われている英語を理解しているかどうかを問う対話形式の問題」。この出題のねらいによれば、会話形式の問題は読み物としてではなく日常生活に出てくる英語をいかに使えるか、という点を確認する出題形式と言えます。言い換えると、大学受験における会話形式の問題は「論説文で問われない(問えない)ような英語の知識を問う」ものがあると言えます。
しかし、実際のところすべての問題がそのようなものではありません。会話形式の問題の中にも文法の知識を問うものや語彙の知識を問うものなども多く含まれます。大事なことは「自分が受験する大学は会話形式の問題を通して『何を』問うているのか」をしっかり認識することです。そこで今回は①会話特有の表現を問う問題の対策と②論説文などでも問われる知識を問う問題の対策をお伝えします!
“Nope” ~会話特有の表現とその勉強法~
“Nope”という単語をご存知でしょうか?これは”No”とほとんど同じ意味で、口語表現としてよく使われるものです。この単語は実際に入試で出たことのある単語ですが、論説文ばかり読んでいると出会う可能性が極めて低い単語の1つだと思います。このような口語表現は普通の単語帳に載っていないものが多いです。会話特有の表現を何らかの方法ですべて事前にインプットすることは効率が悪い上に、大学受験において使用しない知識も多く含まれます。
そこでおススメの勉強法は「頻出表現のみをおさえたら、あとは過去問を通して学ぶ」です。実際に自分が受験する大学の会話形式の問題を解く中で、出てきた表現を覚えていくぐらいでいいでしょう。問題を解く際に、「会話特有の表現を知らなければ解けない問題かどうか」を必ず確認してください。もし、知らなければ解けなかった場合、その大学は「会話特有の表現もしっかりと覚えてこい」と言っているのと等しいので、そこで初めて同レベルの会話独特の表現を覚えるなどの対策を練るといいでしょう。
“this, it, that” ~論説文でも問われる知識とその勉強法~
論説文と会話文の違いは一体なんでしょう?論説文は、不特定多数の読者を想定して書かれているため、多くの人が理解できるように筆者が気を使って書いています。それに対して、会話文は、目の前の一人(話し相手)に理解されればいいため、省略表現や指示詞(this,it,thatなど)がたくさん出ることが多いです。省略表現や指示詞は論説文でももちろん出てきます。ただし、その分量は会話文の方が多いです。これらを意識することが会話文ではより重要になります。
例えば、“Do you think he will?”と言った際に省略されているものは何かと考える。また、”Because that’s not the reason...”と言った際に”that”が何を指しているかを考えるなど……。普通の論説文でもこうした省略や指示語は出ますが、会話文では「頻出」です。
こうした表現が絡んだ問題を間違えてしまった場合、対策として「丁寧な読解を心がける」ことをおススメします。この間違いは、「会話に慣れていないこと」が原因ではなく、「丁寧な読解ができていないこと」が原因で、これは普通の論説文においても重要なことです。長文読解の演習をする際にも、省略表現が出た際に何が省略されているかを考えたり、指示語が出た時に何を指しているのかを考えたりしましょう。丁寧に読むことを心がけるかどうかで、結果に大きな違いを生みます。