子どもたちが夢の話をするとき、大人たちの顔も輝きます。一方で、子どもが成長するにつれてお金の問題に頭を悩ます親たちも多いのでは。
ソニー生命が発表した「子どもの教育資金に関する調査」では、4人に3人となる「75%」(ソニー生命調べ、以下同)の親が、子どもの「教育資金」に関して不安を感じていることがわかりました。
同調査から、親たちの子どもの教育方針や意識、習い事などにかけている金額などを紹介します。(調査は2017年2月9日~2月13日の5日間、大学生以下の子どもがいる30~59歳の男女に対して実施)
過去記事: 教育資金に関する調査結果、親が考える必要額と準備方法
4人に3人の親が「教育資金」に不安
親たちがどのような不安を抱いているのかを見てみます。
未就学児から大学等に通う子どもを持つ親1000人に、子どもの将来に関する項目に対してどの程度の不安を感じているのかを質問したところ、「非常に不安を感じる」もしくは「やや不安を感じる」と答えた割合は次の表のような結果となりました。
子どもの将来に関して不安を感じている割合 | |||
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全体 | 夫婦間で教育方針が同じ | 夫婦間で教育方針が異なる | |
学校生活 | 48.2% | 44.6% | 60.7% |
インターネットやSNSの利用 | 63.6% | 61.8% | 72.6% |
受験・進学 | 71.2% | 66.8% | 83.7% |
就職活動 | 64.9% | 62.8% | 71.6% |
教育資金 | 75.0% | 72.0% | 85.8% |
「教育資金」では不安を感じている親は「75.0%」と、4人に3人が不安を感じており、日常生活など現在のことよりも、受験や就職といった将来のことに対して不安を感じている親の割合の方が多い結果となっています。
また、「夫婦間で教育方針が同じ」場合と、「夫婦間で教育方針が異なる」場合の割合も調査されており、いずれの項目でも、夫婦間の教育方針の違いが不安増加の原因となっていることがわかります。
教育資金への不安の理由
教育資金に不安を感じていると答えた方に、何が不安の理由になっているのかを尋ねたところ、1位は「教育資金がどのくらい必要となるかわからない」で「57.2%」。半数以上の親が、必要額がわからないことに不安を感じているという結果が浮き彫りになりました。
2位以下は、「収入の維持や増加に自信がない」「貯蓄が苦手」「消費税10%への増税」「収入が不安定」と続きます。
子どもの将来に関する不安の原因 | ||
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1位 | 教育資金 | 57.2% |
2位 | 収入の維持や増加に自信がない | 44.1% |
3位 | 貯蓄が苦手 | 28.0% |
4位 | 消費税10%への増税 | 26.1% |
5位 | 収入が不安定 | 24.9% |
6位 | 社会保険料の負担増 | 23.3% |
7位 | 病気やケガで収入が途絶えるリスク | 22.9% |
8位 | 節約が苦手 | 21.3% |
9位 | 健康に自信がない | 10.8% |
10位 | 教育資金に関して相談する人がいない | 10.1% |
教育資金に必要な金額がわからないことに加えて、収入に対する不安や、消費税や社会保険料の負担増が不安の要因のひとつとなっているようです。
子どもの就学段階別に不安の理由を見ると、未就学児・小学生・中高生の親では「教育資金がどのくらい必要となるかわからない」(未就学児70.5%、小学生60.3%、中高生61.7%)が最も高くなり、大学生等の親では「収入の維持や増加に自信がない」(50.0%)が最も高くなっています。
塾や習い事は、いくらかかる?
教育費について、学校以外の塾や習い事について、1か月にいくら支出しているのかを聞いたところ、全体平均で「12.560円」となりました。
全体平均となる12.560円の内訳は、「スポーツや芸術などの習い事 4,545円」、「家庭学習費用 2,765円」、「教室学習費用 5,250円」となっています。
子どもの就学段階別に見ると、中高生、小学生、大学生等、未就学児の順に、1か月平均支出額が多い結果となっています。
学校以外での教育費支出金額 (月額) | |||||
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未就学児 | 小学生 | 中高生 | 大学生等 | 平均金額 | |
スポーツや芸術などの習い事 | 2,754円 | 6,025円 | 5,538円 | 3,859円 | 4,545円 |
家庭学習費用 (通信教育,書籍など) |
1,920円 | 2,695円 | 3,390円 | 3,042円 | 2,765円 |
教室学習費用 (学習塾,英会話,そろばん教室など) |
1,860円 | 5,147円 | 9,683円 | 4,255円 | 5,250円 |
合計 | 6,534円 | 13,867円 | 18,611円 | 11,156円 | 12.560円 |
学校以外での教育費支出金額について、2016年の調査結果と比較すると、1か月の合計支出額は、未就学児から大学生等のどの段階でも増加しています。
全体での平均支出額は「23%増」となっていますが、就学段階別に見ると未就学児の平均支出額は「57%増」と群を抜いて高くなっています。
学校以外での教育費支出金額の年次比較 (月額) | |||
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2016年調査 | 2017年調査 | 増加率 | |
未就学児 | 4,164円 | 6,534円 | 57% |
小学生 | 11,685円 | 13,867円 | 19% |
中高生 | 15,809円 | 18,611円 | 18% |
大学生等 | 9,228円 | 11,156円 | 21% |
平均 | 10,240円 | 12.560 | 23% |
多くの親が子どもの教育費に不安を抱えている一方で、塾や習い事のために支払う金額が増えている現状を紹介しました。消費税や社会保険料などの負担増も予想されますので、しっかりと準備を進めたいですね。
ソニー生命保険株式会社|子どもの教育資金に関する調査2017