第22回:英語を上手に発音するコツ(2)
2019/08/06
前回の続きで、今回も、英語を上手に発音するための学習法を紹介します。正しい発音で、伝わる英語を話せるようになりましょう。
(前回の「第21回:英語を上手に発音するコツ(1)」はこちら)
英語の音の特徴
前回、thやfなど、日本語にはない音の出し方に触れました。また、単語を発音する(覚える)際に注意すべきことを述べました。
前回は単語でしたが、今回は文を取り上げます。単語の集まりである文では、単語と単語の間にいろいろな音の変化が起きます。代表的なものを紹介しましょう。
【1】 音の連結(リンキング、リエゾン)
I have an old dog.(私は年老いた犬を飼っている)は、haveのvとanのaが連結して /ヴァ/ のようになります。また、anのnとoldとoが連結して /ノウ/ のようになります。
従って、have an oldの部分を速く発音すると、/ハヴァノウル(ド)/ のようになります。
【2】 音の脱落(リダクション)
音がなくなってしまうものもあります。tやdなどの弱い音が語尾にある単語(importantやgoodなど)では、語尾が脱落して、/インポータン/ とか /グ/ のように発音されるときがあります。
また、同じ音(dとdなど)、または同じような音(dとtなど)が並ぶと、1つの音しか言わない場合があります。
例えば、【1】で示したI have an old dog.の文では、oldの最後のdと次のdogの最初のdが同じ音なので、1つ目のdの音を脱落させて、/オウルドグ/ のように発音することがあります。
こういった変化を意識して、「日本語発音」にならないように注意しましょう。
正しい発音の練習方法
【その1】 モデル音声を真似て、1文を一気に音読しよう
教科書などを音読する際、絶対にやめてほしいのは、1語1語を区切って発音する読み方です。
例えば、I have a dog.であれば、/アイ ハヴ ア ドグ/ のような読み方ですが、これは日本語でいえば、「犬を飼っています」を /イ・ヌ・ヲ・カ・ツ・テ・イ・マ・ス/ と読んでいるようなものです。
文字を見るだけでは正しい音声が分からない場合は、CDなどの音声を聞いてみましょう。音声をモデルとして真似ることが最も良い練習方法となります。その際、次の手順で1文1文練習します。
文(文字)を見ながら音声を確認する
できれば変化した部分を確認するようにしましょう
▼
音声を真似て、文を見ながら音読する
音声をまねることに集中しましょう
▼
音声を聞かないで、文を音読する
自力で音読できるか確認しましょう
【その2】 自分の音読を録音(録画)してみよう
音声は自分では確認しづらいものです。正しく発音していると思っても、そうでない場合もあります。
そこで、お勧めしたいのは、自分の音読を録音してみることです。スマホを使っても、ICレコーダーがあればそれを使ってもよいでしょう。
また、録画をすれば、自分の口の動きも確認できます。スマホのカメラでも、家庭にあるビデオカメラでもよいでしょう。
モデル音声を聞き、その直後に音読を行います。そのとき、モデル音声を流すところから録音・録画します。モデル音声の直後に自分の音声を入れることにより、聞いたときに比較しやすくなります。
舌・くちびる・あごなどを正しく動かし、モデル音声を真似て発音の練習をしましょう。英語の歌を、発音を真似て歌うだけでも発音がよくなりますので、歌が好きな人には特にお勧めです。
発音を意識した学習法を工夫し、ぜひ実践してみてください。
★『英語力を伸ばす学習法』リストページ
https://www.ei-navi.jp/news/nobasu/list/
おすすめ記事
-
2022/09/30
- 第14回(最終回)大学入学共通テスト「英語リーディング」 問題タイプ別解き方のコツ:本多敏幸先生の英語学習アドバイス
- 毎月、本多敏幸先生が、英語力アップのためのアドバイスを送ります。最終回の今回は、大学入学共通テスト英語読解問題の効率的な解き方の手順を紹介します。
本多敏幸先生の英語学習アドバイス
-
2022/09/01
- 第13回 英語で発信するための「ピース」を増やそう!:本多敏幸先生の英語学習アドバイス
- 今月も本多敏幸先生が、英語力アップのためのアドバイスを送ります。第13回の今回は、話したり書いたりするのに必要な“発信する力”をアップするための学習法を紹介します。
本多敏幸先生の英語学習アドバイス
-
2022/08/05
- 第12回 効果的に英単語を覚える“暗記術”: 本多敏幸先生の英語学習アドバイス
- 今月も本多敏幸先生が、英語力アップのためのアドバイスを送ります。前回に続き、第12回の今回も語彙力を伸ばす方法です。英単語の覚え方のコツをつかんで語彙力をさらにパワーアップしましょう。
本多敏幸先生の英語学習アドバイス