第12回:英語でスピーチをしてみよう(2)

本多 敏幸(ほんだ・としゆき)

今回も、前回に引き続いて英語スピーチのための学習法を紹介します。前回では、英語スピーチの種類とスピーチ原稿の作り方について詳しく説明しました。今回はスピーチの具体的な練習方法を紹介します。

第12回:英語でスピーチをしてみよう(2)

 

 

暗唱型のスピーチの練習方法

 

スピーチ原稿が準備できたら、本番の発表に向けて実際に練習してみましょう。

(前回の「第11回:英語でスピーチをしてみよう(1)」はこちら)

 

 

【その1】 感情を込めて音読する

 

音読は英語学習の基本です。スピーチ原稿を覚えてしまうくらい何度も音読しましょう。

 

ただ音読するだけではなく、感情を込めることが大切です。スピーチ原稿を見て、どこで次の①~⑤の工夫を入れるか考えてみましょう。

 

① 声の大きさを変える。強調したい語句は特に強く言う。
② 強調したい語句を伸ばすようにゆっくり言う。
③ 強調したい語句の前で少し間をとる。
④ 声の質を変える。例えば、少し低い声を出したり高い声を出したりする部分をつくる。
⑤ 話すスピードを変える。基本は聞き手に分かりやすいゆっくりとしたスピードだが、一本調子でなく、ゆっくり言ったり、さっと言ったりしてスピードに変化をもたせる部分をつくる。

 

 

【その2】 鏡の前で自分を見ながら練習する

 

良いスピーチの要素は、「内容」「声」「姿勢や態度」の3つです。鏡の前で次のことを意識しながら練習してみましょう。

 

① 鏡の中に聞き手がいると思いながら、鏡全体を見回しながら話す。
② ジェスチャーを使う。多用しては逆効果なので1~2回に限って使用する。例えば、数を表すときには指を使ったり、大きさや高さを表すときには腕を使ったりするとよい。
③ 顔の表情をつくる。喜怒哀楽を顔で表現すると聞き手に訴えられる生き生きとしたスピーチができる。

 

 

【その3】 Read and Look upをして暗記する

 

第2回:英語に慣れて苦手意識をなくそう」で紹介したRead and Look up(1文ずつ黙読をしながら顔を上げて英文を言う)の方法で、次の手順で練習してみましょう。

 

① 原稿をお腹のところに持つ。1文ずつRead and Look upを行う。鏡の前で自分とアイコンタクトするように行うとよい。
② 2~3文ずつRead and Look upを行う。
③ スピーチをしながら分からないところのみ原稿を見る。ただし、すぐに顔を上げて言う。

 

原稿を見なくても言えるようになったら、原稿を手に持たずに、その1やその2を意識しながら練習しましょう。

 

メモを見ながらのスピーチであれば、その3の①か②までできるようになれば良いスピーチ発表ができます。ぜひ試してみてください。

 

 

参考資料)
スピーチ学習ビデオ アクティブスピーチ指導書
監修・企画: ELEC同友会英語教育学会実践研究部会
出版: TDKコア株式会社 (2001年)

 

 

『英語力を伸ばす学習法』リストページ

https://www.ei-navi.jp/news/nobasu/list/

 

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この記事の筆者について

本多 敏幸(ほんだ・としゆき)

PROFILE

東京都の教員として38年間勤務。現在、千代田区立九段中等教育学校、都留文科大学、文教大学で講師として教えるほか、NHKラジオ「中学生の基礎英語レベル1」の講師として活躍。ELEC同友会英語教育学会会長。学習指導要領の改訂に関わる。また、全国各地で教員向けの講演を行っている。
著書に、本多式中学英語マスターシリーズとして『反復基礎』『短文英単語』『速読長文』(以上文藝春秋)、『中学校外国語新3観点の学習評価完全ガイドブック』、『入試英語力を鍛える!授業アイデア&パワーアップワーク40』(以上明治図書)、『若手英語教師のためのよい授業をつくる30章』(教育出版)、『NHK CD BOOK 中学生になるまでに身につけたい! 小学英語 パーフェクト・レッスン』(NHK出版)など多数。

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