第11回 自由英作文対策:まとまりのある文章の書き方【中級編】

本多 敏幸(ほんだ・としゆき)

前回に引き続き、今回も自由英作文対策として「まとまりのある文章」を書く練習をします。今回は、頭の中を整理し書くためのアイデアを揃える方法を紹介します。英作文で高得点を狙いましょう!

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(前回の「第10回 自由英作文対策:まとまりのある文章の書き方【初級編】」はこちら)

 

 

 

【今回のお悩み】苦手な英作文で高得点が取れるようになりたい…

 

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英作文で良い点数が取れません。高得点が取れるようになりたいです。

 

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前回説明した「まとまりのある文章」とはどんな文章のことか覚えているかな?

 

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話題に沿って一貫性がある文章のことです!

 

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そうだね。まとまりのある文章を書くためには、「求められている内容を理解すること」「文と文のつながりを考えること」が大事だ。そこがきちんとできていれば、英作文で高得点が取れるはずだよ。
前回は3文程度の英文を書いてみたけれど、今回はもっと長い英文を書く練習をしてみよう。

 

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長い英作文だと、途中で何を書いたらいいか分からなくなってしまいます。

 

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問題を読んでいきなり書き始めていないかな?
書く前にまず頭の中を整理し、書くためのアイデアを揃えよう。
例えば、このようなマッピング図を書く方法があるよ。

 

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これはある生徒が身近な人を紹介する英作文を書く準備として、おばあちゃんについて書いた図だ。
「祖母」と真ん中に書き、思い付くことをクモの巣状の図にしてどんどん加えていくと、アイデアのつながりが見えてくる。
例えば、この図の右下は祖母が住んでいる場所について、左下は料理のことがまとまって書かれているね。

 

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図を書くと頭の中が整理できて、何を書くか決めやすいですね!

 

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でも試験だと時間がなくて、マッピング図は書けないかも…。他に方法はありますか?

 

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思い付いたアイデアを箇条書きで書くだけでもいいよ。目次をつくりその中に箇条書きすると、いろいろなアイデアがグループ化されてより分かりやすい。
他にもいくつか方法があるけど、いずれにせよ、すぐ書き始めないで、メモに書き出すなど頭の中を整理してから書くようにしよう。
では練習しよう!

 

 

 

【レッスン】 書く内容を整理してから、まとまりのある英文を書こう

 

<練習> 次の指示に従って、英文を書きましょう。

 

(1) アメリカ人の友達が日本に来ることになりました。お勧めの場所を1つ選び、それについて40~50語の英語で書きなさい。

 

chuko_2020_point_iconお勧めの場所を選んだ理由を考えよう。

先生からのアドバイスを見る

 

(2) アメリカ人の友達からメールが届きました。返信のメールを書きなさい。

Hi (あなたの名前),
Thank you for inviting me to your home in Japan this winter. When I asked my parents about it, they said OK. I'm going to visit you from December 30 to January 5. I'm interested in Japanese food and cultures. This will be my first trip to Japan, so I'm very excited. I'm looking forward to seeing you again and visiting some traditional places in Japan. Where should I visit? Please tell me some places that you think I should visit.
Write to me soon,
Mike

chuko_2020_point_iconMikeはどんなことに興味があるのだろう。

先生からのアドバイスを見る

 

 

chuko_2020_icon先生からのアドバイス

 

状況を考え、書く内容を整理して、適切な英文を書けたかな?
模範解答は京都を例に挙げていますが、他の場所を選んでもいいですよ。

 

練習 (1)

 

「アメリカ人の友達」ということを考えて場所を選ぼう。その人がどんなことを好きかなどの情報がないので、どんな場所を選んでもいいね。

 

(解答例)
I want my friend from America to visit Kyoto. Kyoto is one of the oldest cities in Japan and is very popular among foreign people. It has many famous temples, shrines, and gardens. Also, visitors can enjoy traditional Japanese food. I am sure that my friend will like Kyoto. (49語)

<日本語訳>
私は、アメリカから来た友達に京都を訪ねてほしいです。京都は日本最古の都市の一つで外国人にとても人気です。たくさんの有名な寺社と庭園があります。また、訪問客は伝統的な日本の食べ物を楽しむこともできます。きっと私の友達は京都を気に入るでしょう。

 

① 最初に、あなたが勧める場所を書こう。

「~を勧める」の動詞はrecommendだけど、この単語が分からなければ、他の表現を使おう。前回の【練習】の例で使ったI want to take my friend to Kyoto.が使えるよ。

 

② 次に、その場所の特徴や選んだ理由を書こう。

外国から来る観光客と関連する理由を書くといいね。この例では、Kyoto is one of the oldest cities in Japan and is very popular among foreign people.「京都は日本最古の都市の一つで外国人にとても人気です。」という説明だね。

 

③ 最後に、まとめよう。

I am sure that my friend will like Kyoto.「きっと私の友達は京都を気に入るでしょう。」と書くことで、この文章を終わらせているね。

 

40~50語ではあまり多くのことは書けないので、例のような結論は書かなくても大丈夫だけど、何かまとめとなる文が書けるといいね。

 

理由が複数あるときの文章の基本的な形を紹介しよう。

 

I recommend Kyoto for two reasons. First, it is one of the oldest cities in Japan and very popular among foreign people. Second, people can enjoy eating Japanese food and sweets there. From these reasons, I think Kyoto is the best place for my friend to visit. (47語)

<日本語訳>
私は二つの理由で京都を勧めます。一つ目に、京都は日本最古の都市の一つで外国人にとても人気があるからです。二つ目に、京都では日本の食べ物やスイーツを楽しめるからです。これらの理由で、私は私の友達が訪れるのに一番良い場所だと思います。

 

いくつの理由があるかを最初に述べて、理由ごとにFirst, Secondのように書いていこう。

 

指定の語数が多ければ、一つの理由を書く際にも、複数の文で多くの補足情報を入れると良い文章になるよ。

 

First, Kyoto is one of the oldest cities in Japan and there are some temples which are more than 1,000 years old. A lot of foreign people visit them to learn Japanese culture. …

<日本語訳>
… 一つ目に、京都は日本最古の都市で、築千年以上のお寺がいくつかあります。たくさんの外国人がそこを訪れて日本の文化を学びます。…

 

 

練習 (2)

 

この問題では、「返信のメールを書きなさい」と指示があるので、メール形式で書く必要がある。このように語数の指示がない場合は、解答欄があればその大きさで判断しよう。また友達からのメールの長さも意識するようにしよう。

 

<問題の日本語訳>
この冬、日本の家に招待してくれてありがとう。そのことを両親に聞いたら、いいと言ってくれたんだ。12月30日から1月5日まで訪ねるつもりだよ。ぼくは日本の食べ物と文化に興味があるんだ。日本に行くのは今回が初めてだから、とてもわくわくしている。君に再会することと、どこか日本の伝統的な場所に行くことが楽しみだよ。どこに行けばいいかな? 訪れるべきだと思う場所を教えてください。
メールしてね。
マイク

 

マイクのメールの内容から、条件を整理しよう。

 

  • 12月30日から1月5日まで滞在
  • 日本の食べ物や文化に興味あり
  • 日本に来るのは初めて
  • 日本の伝統的なところを訪れたいと思っている

 

以上のことを考えて場所を選ぼう。メール形式で書かなくてはならないから、あいさつや最後の締めくくりなども考える必要があるね。

 

(解答例)
Hi, Mike,
I am happy to hear that you can come to Japan this winter. There are a lot of good places to visit. Among them, I want to go to Kyoto with you the most. As you know, Kyoto is one of the most popular cities in Japan. It has many traditional spots like shrines and temples. Also, we can eat traditional Japanese food there. I went there on my school trip last year and visited some places. I'm sure you will like Kyoto.
I'll write you soon again.
Your friend,
(あなたの名前)

<日本語訳>
こんにちは、マイク
冬に日本に来られると聞いてうれしい。訪れるといい場所はたくさんあるよ。中でも一番、一緒に行きたいのは京都だよ。ご存じのように、京都は日本で最も人気のある都市の一つなんだ。お寺や神社といった伝統的な場所がたくさんある。それに、京都では伝統的な日本の食べ物を食べることができる。去年、修学旅行で行って、いくつかの場所を訪れたよ。きっと京都を気に入ると思う。
またメールするね。
あなたの友達、
(あなたの名前)

 

 

今回のまとめ

 

今回は、まとまりのある文章を書くために、事前に書く内容を整理しアイデアを揃える方法を紹介しました。

 

メール文に対する返事の書き方なども練習し、英作文への苦手意識が小さくなったのではないでしょうか。

 

次回は、自分の意見や考えをまとまりのある文章で表現する練習をします。お楽しみに!

 

 

『入試に役立つ!英語力向上レッスン』リストページ

https://www.ei-navi.jp/news/lesson/list/

 

 

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この記事の筆者について

本多 敏幸(ほんだ・としゆき)

PROFILE

東京都の教員として38年間勤務。現在、千代田区立九段中等教育学校、都留文科大学、文教大学で講師として教えるほか、NHKラジオ「中学生の基礎英語レベル1」の講師として活躍。ELEC同友会英語教育学会会長。学習指導要領の改訂に関わる。また、全国各地で教員向けの講演を行っている。
著書に、本多式中学英語マスターシリーズとして『反復基礎』『短文英単語』『速読長文』(以上文藝春秋)、『中学校外国語新3観点の学習評価完全ガイドブック』、『入試英語力を鍛える!授業アイデア&パワーアップワーク40』(以上明治図書)、『若手英語教師のためのよい授業をつくる30章』(教育出版)、『NHK CD BOOK 中学生になるまでに身につけたい! 小学英語 パーフェクト・レッスン』(NHK出版)など多数。

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