学習にも影響する花粉症、対策は大丈夫?

竹内みちまろ

子どもでも花粉症になる

学習にも影響する花粉症、対策は大丈夫?

 

 

子どもでも花粉症になる

 

子どもたちの間でも花粉症にかかる割合が増えており、花粉症はもはや、大人だけがかかる病気ではありません。ロート製薬が2015年11月に、0歳~16歳の子どもを持つ親を対象として行った「子どもの花粉症」アンケート調査では下記のような結果がでました。

 

「子どもが花粉症だと思う」2012年 25.7% → 2015年 33.4%へ


回答のあった親(1589人)の子ども2618人のうち33.4%が、「子どもが花粉症である」と実感していることが分かりました。

 

発症の低年齢化は、今年も継続。5歳までに45.5%が発症を実感


子どもの花粉症を実感している親にその発症年齢を聞いたところ、0歳〜5歳までが45.5%、0歳〜10歳までが82.3%という結果で、過去3年の調査と比較すると、花粉症の発症年齢の低年齢化がうかがえます。

 

子どもの「花粉症」は「アトピー性皮膚炎」の約3倍以上


父母が実感する子どものアレルギー症状について聞いたところ、「花粉症」(33.4%)、「通年性アレルギー性鼻炎」(24.3%)、「アトピー性皮膚炎」(10.4%)、「喘息」(8.7%)という結果になりました。「花粉症」は、「アトピー性皮膚炎」に悩む子どもの割合と比べると約3倍以上になりました。

 

花粉症が増えた理由はいくつか挙げられますが、「花粉の飛散量の増加」「住環境の変化」「食生活の変化」「免疫力の低下」そして「遺伝」が主な原因と言われています。今と昔では様々な環境が異なるため、現代人はアレルギー症状を引き起こしやすい体質となっているといえます。

 

 

 

花粉症が学習に影響?

 

花粉症の症状が出始めると学習にも様々な影響が生まれます。

 

まず、目や皮膚のかゆみ、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどで勉強に集中できなくなる場合があります。鼻づまり状態が続き口呼吸が増えると、呼吸が浅くなり酸欠状態から集中力や判断力が低下してしまします。

 

症状のために寝付きが悪くなると睡眠不足に陥り、日中に眠くなって授業に集中できなくなることも考えられます。これらは花粉症が原因だと分かっていながら防ぐことができないため、余計にイライラ感が募り勉強が手に付かなくなりがちです。

 

さらには、花粉症の症状を和らげるために使用する「薬の副作用」があります。

 

辛い症状を抑えるため、内服薬、目薬、点鼻薬、鼻水を止める薬などを使用しますが、薬を使ったために眠くなったり、頭がボーっとしてしまうこともあるでしょう。症状を抑えたいけど薬を使ってしまうと眠くなってしまうために使えない、という悪循環に陥ると精神的にも参ってしまいます。

 

また、喘息やアトピーなどの持病を持っていたり、肌が弱い子どもは、花粉症の症状とそれらの症状が合わさって、さらに症状が悪化することもあります。そうなると、普段のように集中して勉強することができなくなってしまします。

 

 

 

普段からできる花粉症セルフケア

 

最後に、簡単にできる花粉症の対処方法をご紹介したいと思います。

 

花粉症かなと思ったら、まずは専門の医師に相談してみることがなにより。自分に合った薬の処方、最適なアドバイスを受けながら、症状の緩和や治療を進めることができます。

 

ここでは、花粉を体の中に入れないための不断の生活で行うことができる花粉セルフケアをご紹介いたします。

 

口・鼻のケア


  • 花粉用マスクの着用。鼻と口に入る花粉が約1/6程度軽減できます。ウイルス対策用マスクも同様の効果が望めます。
  • 口と鼻のうがい。水道水は塩素を含むので鼻の粘膜を傷つけてしまうため、細胞液や体液に近い生理食塩水(約0.9%の食塩水)を使用しましょう。洗浄のし過ぎは禁物。

 

眼のケア


  • コンタクトレンズの使用は控え、メガネを使用する。
  • 花粉症対策用のメガネの着用。眼の中に入る花粉が1/4程度軽減。普通のメガネでも多少の軽減が可能。
  • 眼のかゆみが我慢できない時は、冷たいタオルを乗せて冷やす。
  • 眼の洗浄。水道水は避け、市販の人工涙液などを使用する。

 

外出・帰宅時のケア


  • 毛足の長い衣服は避け、化学繊維等の表面が滑らかな衣服を着用する。
  • 帽子を着用し、髪毛への花粉の付着を防ぐ。
  • 静電気防止スプレーを身につけるものに吹きかけ、花粉の付着を防ぐ。
  • 建物に入る前に、髪毛や衣服を払い、室内に花粉を持ち込まないようにする。

 

室内でのケア


  • 窓や玄関をできるだけ開けないようにする。
  • 掃除をこまめに行い、綺麗な状態を保つ。
  • 洗濯は、静電気を発生させないよう柔軟剤を使用。洗濯後は室内に干す。
  • 粘膜保護のため、加湿器等で水分を補う。

 

日常生活でのケア


  • 粘膜を強くするため、バランスの良い食事をとる。
  • ストレス、 睡眠不足、暴飲暴食などの粘膜状態の悪化を招くようなことを避ける。

 

花粉症の時期になると憂鬱になる人もいるかもしれませんが、対策をするだけで症状を軽くすることができます。

 

 

春は新しい環境での生活がはじまる時期。新学期がスタートし、新しい科目が増えたり、学習内容が難しくなったりする時期です。勉強に集中できないと、授業に遅れや試験の点数に影響が出ます。

 

花粉症対策にしっかりと取り組めば、学習への影響を最小限に抑えることができるので、ぜひ実践してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

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