子どもが小学校に入ったら関わるPTA。日本とアメリカでは事情が異なります。アメリカのPTAの在り方や中身から、国柄の一部を知ることができそうです。
「PTA」といえばみなさんご存知かと思いますが、今回ご紹介するのはアメリカのPTA活動について。日本とアメリカではどのような違いがあるのでしょうか。
PTAとPTO?
早速ですが、アメリカには「PTA」と、「PTO」という名の2つの団体があります。
PTAとPTOでは、当然ながら活動内容が異なります。
PTA(Parent Teacher Association)
全米PTA団体。非営利団体。団体に加盟している各地域のPTAが活動。
PTO(Parent Teacher Organization)
各学校で独立した、保護者によるボランティア団体。全米PTA団体には未加盟。
PTAは、全米PTA団体に属し、団体の趣旨に沿った活動が求められる一方で、子育て支援サービスをはじめとした特典が得られます。
PTOは、全米PTA団体の趣旨に同意しない組織が結成し自主的に活動をしており、現在ではPTAより数が多いといいます。はっきりと自己主張をするアメリカらしい団体といえます。
学校ごとに異なるPTOは、ボランティアとはいえ完全に自主性なので、義務的な雰囲気が一切ありません。活動に時間が割けない人は、率先して呼びかけられた募金に参加したり、イベントに足を運び食べ物買うなど、お金で貢献することが多いといいます。
PTOの役員をしている人は、仕事よりPTO活動を優先する人も少なくないらしく、熱意がうかがい知れます。ほとんどのPTOでは、「なり手がいなくて困る」という空気すらないようです。
PTOは仕事が楽ちん?
日本のPTAは、役によりますが、毎月の定例会や広報物の制作・配付、運動会の防犯、保護者会の企画・運営、学校敷地内の清掃や登下校の見守りなどがあります。
では、アメリカのPTAではどうでしょうか。
やはり月に1回程度の会議や、発行物の配付や各種歓送迎会や謝恩会の企画・開催ほか、学校運営を補佐する仕事などが多種あるようです。
一方でPTOは、完全自主性なので、その団体によりますが、基本的には仕事が少ないようです。少なければ、年に数回のお楽しみ会の企画・運営だけ、などの例もあります。
アメリカは、現実的でメリットとデメリットにシビアな人が多いといわれます。そのため、PTOに入る前に、団体側はメリットとデメリットを提示し、納得した上で参加してもらいます。参加者はギブ・アンド・テイクの内容に魅力を感じるからこそ加入するのです。
実働が多い、仕事が大変などのデメリットが多ければ、日本人ならば我慢や美徳で耐えるかもしれませんが、アメリカ人は断固拒否するのでしょう。
日本でもPTAを廃止し、PTOを立ち上げた例が注目を集めました。しかし、多くの学校はPTAしか持ちません。日本のPTAも、学校に関わり内実を知ることができる、子どもや地域への理解が深まり、繋がりが広がる、などのメリットがあります。
アメリカの例を参考にできるところは参考にし、PTAを自分たちにとってメリットが大きいように変えていくことができれば、きっと子どもたちがより生き生きと学校生活を送れるようになるはずです。