「英語を話したい!」と思っても、習得するのはかなり難しそう…。そう考える人は多いかもしれません。
しかし、英語の使い方の概念を変えてみると、苦手意識が克服でき、習得に近づけるかもしれませんよ。
英語はややこしい…?
義務教育で英語を習ったものの、単語や構文など覚えることがたくさんで、結局いま、使いこなせていない人は少なくないでしょう。
そう、英語が苦手な人にとって、英語はとにかくややこしそう。
例えば、「私の仕事は英語講師です。」と伝えたいときに、多くの人は次のように英語化するでしょう。
【例】「私の仕事は英語講師です」と伝えたいとき…
「私の仕事」= My job …
「英語講師」= English teacher …
そうそう、冠詞の an をつけて an English teacher …
「~です」には be 動詞の is を使って…。
↓
My job is an English teacher. (完成!)
やはり英語は複雑。では、それを極限までシンプルにしてみては?
画期的な英語習得法を『会話もメールも 英語は3語で伝わります』(中山 裕木子/ダイヤモンド社) は紹介しています。
伝え方はシンプルに
じつは、先述の例は本書の冒頭からの抜き出しですが、これを本書の方法でシンプルにすると、次のようになります。
I teach English.
元の文の「私は英語を教えています」から「私の仕事は英語講師です」と訳が変わってしまいましたが、相手に伝わる情報としては大きくは変わりません。
ポイントは、3語でまとめていること。
本書いわく、英語が苦手なら「3語の英語」にしてしまえば良い、とのこと。意識的に複雑な構文を避け、あらゆる文を「誰が(または何が)、何を、する」に組み立てること。
I am an editor of books.
「書籍の編集者です」
この場合、下記のようにシンプルにしてしまえば良いのです。
I edit books.
「書籍の編集をしています」
では、次の場合はどのようにすればよいでしょうか?
- The news made me surprised.
- There is a need to buy this book.
答えは、次のとおり。
- The news surprised me.
- I need to buy this book. → I need this book.
まずはこの方法で英語の苦手意識を徐々になくし、無理なく英語力を磨いていってはいかがでしょうか。
著: 中山 裕木子 出版社: ダイヤモンド社
中山裕木子(なかやま・ゆきこ)
株式会社ユー・イングリッシュ 代表取締役。公益社団法人日本工業英語協会 専任講師。1997年より企業で技術分野の日英翻訳に従事。2000年、特許事務所で電子・電気、機械の特許明細書の日英翻訳を開始し、テクニカルライティングに出会う。特殊で難解な特許の英語であっても、平易に表現できないかと模索を始める。2001年に工業英検1級取得。首位合格により文部科学大臣賞を受賞。2004年、フリーランス特許翻訳者になる。同時に、公益社団法人日本工業英語協会の専任講師に就任し、企業や大学の理工系研究者に対し、技術英語・特許英語の指導を始める。2014年4月、技術英語を専門とする翻訳と教育の会社、株式会社ユー・イングリッシュ設立。高品質の技術翻訳サービスと技術英語指導サービスの提供により、日本企業や大学における技術系英文の品質向上に尽力する。「伝わる英語を身につける」をモットーに、京都大学、名古屋大学、同志社大学などにて、非常勤講師として、大学生の英語力を日々高めている。著書に『技術系英文ライティング教本』(日本工業英語協会)、『外国出願のための特許翻訳英文作成教本』(丸善出版)がある。