気がつくと開会式まであと2年を切った2020年東京オリンピック。海外からの旅行者も増えると見られ、街で「写真を撮って」と言われることがあるかもしれません。
「はい、チーズ」は日本だけ?
あなたが観光地やお店の中で、海外からの旅行者に英語で「写真を撮ってもらえますか?」声を掛けられたとします。
あなたは「写真を撮ってほしい」ことは分かりましたが、いざ写真を撮るとき無言でシャッターを切るわけにもいきませんよね。中高生はあまり使わないかもしれませんが、私たちがよく使う「はい、チーズ」、、このまま日本語で言っても海外の方には伝わりそうもありません。
「はい、チーズ」を英語に訳せば「Say, cheese.」、、果たしてこれで伝わるのでしょうか?
そもそも「はい、チーズ」って?
「はい、チーズ」は日本で写真を撮るときの定番ですが、このフレーズが定着した理由は、1960年代に放送されたチーズのCMがきっかけとされています。CMでは、日本人カメラマンが「チーズと言ってごらん」と女性モデルに促し、自然な笑顔が生まれます。
ちょうどカメラが普及し始めた時期だったこともあり「はい、チーズ」というフレーズは日本中に広まり定着したとされています。しかし、「チーズ」と言っても口は「ウ」の形となってしまいキレイな笑顔になりません。 これは英語の発音が関係しています。
写真を撮るときは「Say cheese.」でOK!
さて、本題に戻りましょう。海外では写真を撮るとき、どのようなフレーズを使うのでしょうか。実は先ほど紹介したCMでは、冒頭で外国人カメラマンがこう言います。
Say cheese, please.
「チーズと言ってごらん。(はい、チーズ。)」
実は「Say cheese, please.」はアメリカ、イギリスなど英語圏では使われる定番フレーズ。単純にこれを日本語に訳し生まれたフレーズが「はい、チーズ」です。海外での使い方は、撮る人が「Say cheese.」と合図を出して、撮られる人が「Cheese.」とリピートします。
英語では、チーズの「ズ」の発音は子音のみで、ほとんど「チー」の発音に近く、笑顔の形になります。日本では、撮られる側はフレーズをリピートせず、単純に笑顔をつくる形で定番化したようです。
海外からの旅行者に写真撮影を頼まれたら、肩の力を抜いて「Say cheese.」を合図にシャッターを切りましょう。
他にも色々!各国の撮影フレーズ
英語圏では定番の「Say cheese.」以外に、次のようなフレーズが使われています。
Smile! 「スマイル!」
日本語に訳すると「笑って!」です。英語での発音は「スマイ」に近いので、撮られる人がリピートするとと口元が「イ」の形の笑顔になります。撮られる人が笑顔になるように、「Smile!」の言い方に工夫したいですね。
Whisky! 「ウイスキー!」
こちらも口が「イ」の形で終わるので、自然と笑顔になるフレーズです。
Three, two, one! 「スリー、トゥー、ワン!」
カウントダウンです。撮られる人がリピートするフレーズではありませんので、撮る人が言い方を工夫して相手を笑顔にしたいところです。
英語圏以外の国では、次のようなフレーズがあります。
CuiCui 「キュイキュイ」
フランスでは定番の、小鳥の鳴き声を真似たフレーズです。
茄子 「チエズゥ」
中国で使われるフレーズ。茄子は野菜のナスのこと。発音が「Cheese」に近いですね。
김치 「キムチ」
韓国の定番フレーズ。「キムチイ」と「イ」を意識して発音します。
フレーズから国柄が垣間見えて、おもしろいですね。フレーズも大切ですが、なにより写真を撮る人が「相手を笑顔にしてあげよう」という気持ちが、日本を訪れた旅行者への「おもてなし」と「思い出」につながります。