2020年度から大学入試センター試験が「大学入学共通テスト」に変わることに伴って、スピーキング学習が注目を集めています。今回は、スピーキング学習を効果的に進めることのできる「英会話ロボット」を紹介します。
熱が高まるスピーキング教育
2020年度から、大学入試センター試験が「大学入学共通テスト」になります(2021年1月から実施)。
テストの名称が変わるだけではありません。従来の大学入試センター試験から、出題・解答方法などが変更されます。英語においては、従来の「読む」「聞く」能力を測るテストに加え、「話す」「書く」能力が問われます。具体的には、スピーキングテストが導入されます。
これまで英語教育で重視されてこなかったスピーキング能力が問われるということで、学校教育や民間教育では、「話す力」の伸長が課題となっています。
こういった背景が後押しし、今、教育現場ではスピーキング学習を効果的に進める「英会話ロボット」が注目を集めています。学校や民間教育施設、家庭などで存在感を増す英会話ロボットには、どのようなものがあるのでしょうか。
個性豊かな英会話ロボットたち
それでは、スピーキング学習を効果的に進めることのできる「英会話ロボット」を紹介していきます。
Musio(ミュージオ)
後ほど紹介するペッパーに比べて随分と小さく、両手に乗る程度のサイズのMusioですが、人工知能を使ったコミュニケーションロボットとして特化しているため、英会話ロボットとしてのポテンシャルが非常に大きいことが特長です。
Musioは会話をすればするほど、自己学習で"賢く"なっていくため、自分の英語力を無理なく高めるベストパートナーとなるでしょう。価格は98,000円から。
過去記事:
Lesson Pod(レッスンポッド)
電卓や時計、電子辞書などで有名なカシオ計算機株式会社が開発した英会話ロボット。「自宅で英語を話す習慣を身に付けること」が目的とされており、Lesson Podに1m前後近づくと人感センサーが反応して声をかけてくることがあります。
また、時間帯に応じて英語で挨拶をさせることも可能で、自然と英会話力が伸びていきそうです。値段は約25,000円とお手頃です。
デジタル英会話学習機 Lesson Pod|カシオ計算機株式会社
Charpy(チャーピー)
こちらも人工知能対応型の英会話ロボットで、赤いペンギンのようなぬいぐるみの親しみやすい装いが特長です。
キュートな見た目ですが、Wi-Fiとクラウドサービスを利用することで約14,000フレーズの英会話が可能。英会話の入門から英検準1級合格、TOEICスコア700点取得まで対応しているとのこと。販売価格は58,000円です。
英会話ロボット Charpy Chocolate|株式会社CAIメディア
【番外編】Pepper(ペッパー)
言葉を話すロボットとして広く知られるソフトバンク株式会社の「Pepper(ペッパー)」も、英語に対応しています。円滑に人と対話ができるように、相手の喜び、悲しみ、怒り、驚きといった感情が認識でき、同時に20の可動部を使って生き生きと動くことができます。
企業やイベント会場などでよく見るPepperですが、一般での購入も可能。本体価格は198,000円、これにクラウドを利用して会話をしたり、一緒に生活する上での基本機能が使えるようになる基本プラン料や保険パック料が加算されます。
Life with Pepper (ペッパーと暮らす )|ロボット | ソフトバンク
Pepperについての詳細|SoftBank Robotics
教育現場でも活用がすすむ
英会話ロボットは、すでに教育現場でも活用され始めています。例えば先に紹介したMusioは、戸田第二小学校(埼玉県戸田市)では2017年10月から授業に導入されています。
5年生の週2回の外国語活動のモジュール授業では、設定された文章をMusioが発声し、それに続いて生徒たちが声を揃えます。これに対し、Musioは生徒たちの発音や抑揚などをチェックするのです。
話す相手がロボットなので、発音を間違えても恥ずかしいという気持ちが起こらず、積極的にスピーキングできることも大きなメリットのようです。
さらに、明星小学校(東京都府中市)でも、2017年9月からMusioがクラスの仲間入りをしています。授業で活用されているだけではなく、教室に常時置いてあるため、休み時間でも英会話をかわすことが可能。
2020年まであとわずか。スピーキングへの熱が高まると共に、英会話ロボットへの期待も高まりそうです。