第2回 英語外部検定利用入試はどんなふうに利用されているの?
2021/05/18
英語外部検定利用入試(外検入試)は、一般選抜と学校推薦型・総合型で行われる際、利用法が大きく4つのパターンに分類できる。それぞれの内容をきちんと把握しておこう。
前回の記事: 第1回 そもそも英語外部検定利用入試って?
外検入試の4つのパターンは
どの試験で利用されているのか?
一般選抜と学校推薦型・総合型では、どのパターンで利用されているかがけっこう異なるので、注意が必要だ。
下のグラフにあるように、一般選抜では「得点換算」が最も多く、全体の約6割に達している。一方、学校推薦型・総合型では「出願資格」が過半数近くを占めている。
■2021年入試での外検入試導入の割合
【POINT】
外部検定の利用法: 一般選抜では得点換算が、学校推薦型・総合型では出願資格がもっとも多い!
外部検定利用の4つのパターン
(注:例は全て2021年入試から引用)
【1】出願資格
出願条件として、各大学が指定する外部検定の級やスコアの保有を義務づけているパターン。この場合、英語の試験を免除されることが多い。例えば、私立大の一般選抜であれば、独自試験を英語以外の教科で受験できる場合が多く、その教科に絞った対策が可能なのだ。
(例)東京海洋大-海洋生命科学、海洋資源環境
【前期・後期】
英検準2級以上、TEAP(4技能)160以上、IELTS3.5以上、さらにはTOEIC、TOEFLなどで所定の資格等を保有していることを出願資格とする。
(例)中央大-法
【総合型(英語運用能力特別入試)】
英検準1級以上、TEAP(4技能)300以上(各技能:70以上)、IELTS6.0以上、さらにはTOEIC、TOEFLなどで所定の資格等を保有していることを出願資格とする。小論文・英語・面接を受験する。
【2】得点換算
保有している外部検定の級やスコアのレベルが、共テや独自・個別試験の点数に換算されるパターン。資格レベルによっては「満点」に換算されるケースもあり、実質的に英語の試験が免除となる。
外部検定の級やスコアを保有していても、大学独自の英語試験を受験する大学もある。その場合、成績の良い方で判定されることが多い。
例えば……
英検準2級を持っている ⇒ 英語の個別試験の「70点」に換算
英検2級を持っている ⇒ 英語の個別試験の「80点」に換算
英検準1級を持っている ⇒ 英語の個別試験の「100点」に換算
(例)九州大-共創
【前期】
英検CSE2300以上、TOEFL iBT72以上、TEAP(4技能)309点以上などの資格レベルに応じて、共テの英語の得点を満点(200点)に換算。
(例)近畿大-経済
【公募推薦(スタンダード・高得点科目重視方式)】
英検2級、TEAP226、IELTS5.0、TOEFL iBT45などを取得していれば、資格レベルに応じて、個別試験の外国語を70~100点に換算(上記は70点換算の例)。
【3】加点
受験生が保有している外部検定の級やスコアに応じて、共テや個別試験の得点に対し、決められた点数が加算されるパターン。得点換算と同様、英語力に自信がある受験生にはメリットがある。
例えば……
英検2級を持っている ⇒ 総合点に10点プラス
英検準1級を持っている ⇒ 総合点に20点プラス
(例)山口大-国際総合科学
【前期・後期】
英検2級、IELTS4.0、TOEFL iBT45など、資格レベルに応じて、個別試験(前期は英語、後期は小論文)の試験の得点に、満点を上限として10~30点を段階的に加算する。
(例)早稲田大-国際教養
【一般選抜(共テ・独自試験併用)】
英検2級、IELTS4.0、TOEFL iBT42以上を取得していれば、資格レベルに応じて、独自試験(英語80点)、共テ(国語50点、選択1科目50点)の総合得点に7~20点を加点(上記は7点加点の例)。
【4】判定優遇・合否参考
大学が指定する外部検定の級やスコアを保有している場合、1次試験や最終選考などで出願書類の評価や合否の判定における優遇が得られるというパターン。例えば、「英検2級以上=合否判定の参考とする」など。
この記事は「螢雪時代(2021年5月号)」より転載いたしました。
★「英語外部検定利用入試」徹底利用のためのABC! リストページ
https://www.ei-navi.jp/news/gaiken-nyushi_2021/list/
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