全国では夏休みに突入した学校がほとんどではないでしょうか。「夏休みの最終日が残っている宿題漬け…」というトホホな状況にならないよう、早めにワークを終えて、夏休みを満喫したいもの。今回は、学習効率をアップする方法をご紹介します。
学習に効果を及ぼす「照明」
勉強に打ち込むなら、できるだけ効率を上げたいもの。勉強机や椅子にこだわる、空調をリラックスできる温度設定にする、ご飯を食べる前もしくはお風呂上がりなど自分に合った時間にする、BGMを工夫する、アロマを焚く、ガムをかみながら、などさまざまな方法がありそうですが、今回お勧めしたいのは「照明」です。
生活に密着した照明にはさまざまな効果があり、学習にも効果を及ぼすことがわかっています。「なんとなくこんな色の照明が好み」「明るいほうが見やすくてよさそう」という主観的な理由ではなく、根拠に基づいた照明の選択をしてみませんか?
照明オンチな日本人
東日本大震災によって節電が呼びかけられ、家庭や商業施設など全国で「減光」が進みました。「なんだか街が暗いな」「明るいほうがいいな」と思った方もいたと思います。
しかし、海外からの旅行者や海外生活経験がある日本人などから「これでも十分に明るい」「海外ではこんなもの」という声があったことをご存知でしょうか。日本人はこれまで、まぶしすぎる環境で生活していた、というのです。
蛍光灯が普及するのは、経済成長期。「まぶしい白色光が幸福を物語っていた」という意見がありますが、家庭の光は国が豊かになるにつれ、明るく、強くなっていきました。次第に日本人は、明るい光が当たり前になっていったと考えられます。
日本住宅の性質にも要因がありそうです。「一般社団法人 照明学会」によると、日本住宅は和室が「子供達の勉強部屋」も「コミュニケーションの場」も「寝室」も兼ねていました。和室の照明といえば、天井の中央に全般拡散配光型の器具ひとつ。部屋の隅々までを照らすまぶしい光はさまざまなシーンで汎用性がありますが、それが「明るい光=万能」という構図を頭に植え付け、“照明オンチ”な日本人を生み出してしまったのかもしれません。学習効果を高めるなら、照明オンチから抜け出し、用途に合った選択をする必要があります。
さて、メーカーによって呼称の差がありますが、主に照明で使われる蛍光灯は大きく3種類の色に分けられるといわれます。「昼白色」「昼光色」「電球色」の呼び名です。
デスク用のライトは…
蛍光灯3種類の効果は、次のようなものです。
昼白色
昼間の太陽光に似ている。ナチュラルな白色味。いきいきとした自然な明るさ。リビングでよく使われる。脳を活発にさせる。
昼光色
昼間の太陽光に似ている。青白い。すっきりと明るく、爽やかでクールな印象。文字がはっきりと見える。覚醒作用がある。
電球色
オレンジ色っぽい。白熱電球のようなあたたかくやさしい印象。寝室やダイニングなどに多い。リラックスできるため、集中力が上がるというデータもある。
勉強部屋で一般的に人気なのは、視認性が高く覚醒作用がある青白い「昼光色」ですが、子どもによっては「まぶしすぎる」と感じることがあるようです。そういった場合には、より目にやさしい「昼白色」と選ぶとよいでしょう。
手元だけを照らすスポットライト(電球色)を併用し、リラックスからの集中力アップを狙うのもよさそうです。スポットライトには、光が当たる手元にしぜんと集中しやすくなるという効果もあります。
LED照明が人気
省エネ効果が抜群のLED照明が人気なのは、学習用でも同じ。しかし、当然ながら「LED照明ならすべてが同じ」というわけではありません。
- 明るすぎず、目が疲れない
- チラツキがない(少ない)
- 多重影ができにくい
- 学習環境に合ったシェード(かさ)幅(広めがよい)
- できれば多灯式・調色機能付き
このようなポイントを考慮しながら実際に店舗で照明を試し、自分に合った照明を選んでみてはいかがでしょうか。